小栗旬主演「日本沈没」に杉本哲太、風間杜夫、石橋蓮司が出演

TBS系で10月にスタートする、小栗旬が主演を務める連続ドラマ「日本沈没―希望のひと―」(日曜午後9:00、開始日未定)に、杉本哲太、風間杜夫、石橋蓮司が出演することが分かった。

ドラマの原作は、1973年に刊行された小松左京による不朽の名作「日本沈没」。翌年には同局でテレビドラマ化がされているが、それ以降もドラマのみならず映画やアニメ、漫画などさまざまな形で語り継がれてきた名作だ。刊行から48年の時を経て、この原作に大きくアレンジを加えた本作は、原作でも描かれていた「環境問題」を現代に照らし合わせて鮮明に描き出す。そして、主人公を含め登場人物をオリジナルキャラクターにすることで、2023年の東京を舞台に、今だからこそ描くべき物語が展開。沈没という目に見えない危機が迫る中で、国家の危機にひんしてもなお、一筋の希望の光を見いだすために奮闘する人たちの姿を紡いでいく。

撮影は今年の春にすでに終了している本作。このたび、発表された3人は、小栗演じる主人公・天海啓示に多大な影響を与える重要な役どころを担うキャストだ。

杉本は、日本の未来に立ち向かう“日本未来推進会議”の指揮を執る内閣官房長官・長沼周也役を務める。そして、風間は、天海が内閣総理大臣・東山栄一(仲村トオル)に近づくために会いに行く生島誠を演じる。生島は日本が世界に誇る自動車会社「生島自動車」会長兼経団連会長で、政財界からも尊敬される知識人であり、政治家に最も顔が利く経済人だ。経産省に属する常盤紘一(松山ケンイチ)を昔からかわいがっていて、彼に紹介されて出会った天海にも好感を示す人物。

さらに、石橋が扮(ふん)するのは副総理・里城弦。里城は何よりも日本の主張と利益を最優先する生粋の国粋主義者で、与党の最大派閥を率いる守旧派勢力のドンである里城には、弱小派閥出身の東山総理も逆らえない。そんな里城は、天海の前に立ちはだかる最も大きな壁となっていく。

今作では、大御所たちと若き官僚たちの権力闘争も必見。国の危機を前に、彼らは天海にとって、日本にとって、味方となるのか敵となるのか。小栗率いる日本を代表する俳優たちの演技の掛け合いにも注目だ。

杉本は「今回、総理の右腕となるべき内閣官房長官役を演じさせていただきました。若い官僚たちを見守りながらも翻弄(ほんろう)されていく役です」と役柄を説明し、「私的なところですが、『日本沈没』といえば小学生の時に映画館で見た映像が今でもはっきり頭の中に残っています。映画を見た後、小学生なりにもしこういう状況になったらどうしよう、どこに逃げれば自分の身を守れるかなど、つい自分のことばかり考えてしまい、その後、母に対しものすごく申し訳ない気持ちになったことを思い出しました」と回顧。

そして「この時代何が起きてもおかしくない中で、このドラマを通して、極限の状態の時、人は何ができるのか? 自分だけではなくどこまでほかの人たちに思いを巡らせて行動できるのか?ということを、あらためて考えさせられました」と語る。

風間は「今回、『日本沈没―希望のひと―』に出演のお誘いをいただいて、脚本の骨格を知れば知るほど、僕自身の背筋を正す思いがしている。東日本大震災から、今日本が置かれている状況にまでも仮想を導いて、これほどのリアリティーを持って真正面から描こうとする作品があるだろうか。非常時に人間のあるべき姿を、社会に示唆して恐れない。俳優として、僕も何か一つ大事な役割を果たしたような気がする」と熱を込める。

石橋は「今回のドラマの役柄においては、この過酷なコロナ禍の中で、政治家の皆さんが専門家との確執を抱えながら、政治的判断を下していく姿がいろいろ参考になりました。要するに、楽観主義・自己保身・決断の遅れは、大惨事を招くということです」と話している。

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