【新型コロナ】台湾、独自開発のワクチン接種開始 総統が生中継で自ら接種

 台湾全土で23日より、域内の製薬会社が独自開発した新型コロナウイルスのワクチンの接種が一斉に開始された。この日、蔡英文総統が接種を受ける様子が生中継され、総統は体調に問題がないことを強調、市民に接種を受けるようアピールした。

最終段階の治験未実施も、それまでの結果で緊急使用許可

 接種が開始されたのは、MVC(高端)社が開発した合成抗原ワクチン。通常すべての医薬品は、投与群と非投与群を無作為抽出のうえ比較する「ランダム比較試験」による成績評価を経てから承認されるが、今回はその段階の前の、ヒトに対する安全性を確認する段階の治験結果で緊急使用が許可された。当局によると、比較対象となったアストラゼネカ製ワクチンよりも中和抗体が多く生み出されていたという。

 接種開始にあたり、蔡英文総統がテレビでの生中継のさなか自ら接種にのぞみ「(体調は)何もない」とアピール。市民に積極的に接種を受け集団免疫獲得に協力するよう訴えた。

 台湾では、現在(21日時点)までの全市民に対する接種率は40%弱となっている。保健当局ではこの新しい独自開発ワクチンを、まずは80万回分確保。他の外国製ワクチンとともに接種スピードを向上させ、感染収束につなげていきたい考えだ。

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