【横浜市長選】山中氏「IR推進室」の機能停止へ 事業者選定作業を中止

横浜市長選に初当選し、当選証書を受け取る山中氏(中央)。右端は妻の真木子氏=23日午後、同市役所

 横浜市長選で初当選した元横浜市立大教授の山中竹春氏(48)は23日、カジノを含む統合型リゾート施設(IR)の事業者選定作業を中止する意向を明らかにした。市の専門部署「IR推進室」の機能を停止し、「推進の看板を取り下げ、速やかに誘致撤回の手続きを進めたい」と述べた。

 投開票から一夜明け、記者団の取材に答えた。

 現市政が進めてきたIR誘致を巡り、山中氏は22日夜の会見で「IR中止宣言」を出すと表明。23日は「市長就任後に国への申請は行わないと明確に述べる機会」を関係部署と調整して可及的速やかに設ける考えを示した。9月上旬に予定されているIR選定委員会の開催も、白紙を視野に検討するとした。

 一方、新型コロナウイルス対策についても言及し、ワクチン接種の加速をはじめ、PCR検査や抗原検査の拡充を進める考えを強調。病床逼迫(ひっぱく)の改善に向け、大規模施設を使った“野戦病院”のような臨時医療施設の設置を「必要に応じて検討する」と明かした。

 4人の副市長人事に関しては「横浜市をより発展させるゴールを共有できる方々と市政運営に当たっていきたい」と述べるにとどめた。

© 株式会社神奈川新聞社