韓国がモリブデンの99.9%超高純度製錬装置を国産化 これまで日本に依存

韓国生産技術研究院(KITECH)が企業と共同で希少金属モリブデンを超高純度に精製する装置を開発したと24日に明らかにした。

モリブデンは耐食性・耐熱性・安定性に優れ、半導体・ディスプレイ基板用素材として注目されている。

参考記事:サムスンとSK、国産化フォトレジストなどを本格導入か 「量産予定の14nmDRAMに」韓国紙

しかし、埋蔵量が少ない希少金属であるため、原材料の需給が難しく、韓国に原料を輸入しても純度を高める精錬技術が不足しているため活用することは容易ではない。

超高純度モリブデンの場合、毎年7千億ウォン(約660億円)規模の全量を輸入に依存しているのが実情である。このうち60〜70%を日本から取り寄せていることから、需給安定性の問題が提起されていた。

KITECHの韓国希少金属産業技術センターは、2019年6月にウズベキスタンとの供給契約を結び、モリブデン原料のサプライチェーンを構築した。

画像:製錬装置の前に立つ研究者たち/KITEC

続いて、希少金属素材専門企業であるエヌエイティーエムと共同で「高融点モリブデン精錬装置」を国産化し、99.995%の超高純度を実装した。

強塩・強酸等の触媒が必要としない超高温電子ビームを利用し不純物を気化させた後、残りの高純度の液体モリブデンをインゴット(金属塊)で成形する工程を開発した。

現在、研究室規模での研究に成功した状態であり、パイロットプラント(試験実証施設)規模の実証試験を進めている。今後1年以内に試作品を開発する計画だ。

参考記事:韓国政府系機関、ガスタービン用チタンブレードなど国産化 「日本との競争で一歩先を行く」

参考記事:韓国機械研究院、400㎚級の超微細半導体回路リソグラフィ装置を国産化

参考記事:韓国製鉄大手ポスコ、STS合金鋼による発電用鋼材を国産化…再エネ分野でも推進

© 合同会社WTS研究所