「みんなは私たちの誇り」 長崎商マネジャーから選手への手紙 全文紹介  第103回全国高校野球選手権大会 

現地でも選手たちをサポートする3年生マネジャーの(左から)梁瀬さん、舛屋さん(長崎商提供)

 長崎商の3年生マネジャー、舛屋美優さんと梁瀬彩巴さんは大会前、中継テレビ局から依頼されて、選手たちへ手紙を書いた。高校最後の夏、夢切符をつかんだ選手たちが味わってきた挫折、野球に打ち込める喜び、感謝などを、思いのままにつづった。西口博之監督が「チームの様子を細かく見て、よく捉えている」と目を細めた手紙の全文を紹介する。

 長崎商業野球部のみんなへ
 まず初めに甲子園という夢の舞台に連れてきてくれてありがとう。1年生の頃から自由でマイペースだったみんなが、ここまで結束して強いチームになるとは正直想像もできなかった未来でした。
 秋の大会では延長戦で敗れ、新チームになって初めての挫折を味わったね。そこから冬の厳しい練習を乗り越えてもまだ、チームの雰囲気は上がらなくて私たちももどかしい気持ちがありました。
 春の大会の初戦を目前に控えた3月29日、初めて監督に本気で一喝されたその日から、みんなの目が変わって「甲子園で勝利して長崎商業の校歌を歌う」という目標の実現が確実なものになってきました。
 不利な状況になっても前向きな声掛けや勝ちにこだわる姿勢で前哨戦を次々に制し、迎えた最後の夏の選手権。3回戦から厳しい試合が続き、何度も目を背けたくなる瞬間があったけれど、どんな状況でも勝利だけを見据えて諦めずに戦うみんなの姿を見れたことが、すごくうれしくて感動させられました。
 粘り強くしぶとくつかみ取った甲子園で野球ができるこの機会を良い経験で終わらせずに、一戦必勝で戦い抜いてほしいと思います。みんなにはたくさんの心強い応援団がついているから、緊張せずに野球を楽しむだけだよ。一学年上の先輩方の想いを背負って「甲子園で校歌を歌う」という約束、絶対みんなで叶えよう。
 被爆地ナガサキに生まれた者として、またコロナウイルス感染拡大の渦中に生きる者として、このように不自由なく仲間と野球ができることに感謝して、一生忘れられない最高のゲームを全国に魅せてください。みんなは私たちの誇りです。
 長崎商業野球部マネージャー3年 舛屋美優、梁瀬彩巴

3年生マネジャーが思いをつづった選手たちへの手紙(長崎商提供)

© 株式会社長崎新聞社