京都府13病院、医療崩壊の現実を「赤色」で警鐘 「できる限り外出避けて」

 京都府内の13の基幹病院が、院長名で緊急声明を発表した。府内の感染爆発で通常医療がかなり制限され、かかりつけ患者の救急搬送にも支障が出る恐れがあると現実を説明し、府民に対し感染抑止のため外出を可能な限り減らすよう求めている。

13病院の院長名で緊急声明 「救急搬送困難事例すでに多発」

京大医学部附属病院のホームページに掲載された緊急声明

 京都府内の救急部門を持つ13の基幹病院が、府民に医療崩壊が現実に起きつつあることを警告する緊急声明を発表した。声明は京都大学医学部付属病院のWebサイトなどにPDFで掲示されているが、事態の深刻さを表現するため背景が真っ赤に染められている。

 声明によれば、全国同様府内を襲っている新型コロナウイルスの「第5波」のため、通常医療を制限し集中治療室(ICU)をコロナ患者のために使用する措置を行なっており、現時点でがんや心臓病治療など、手術が必要な患者に対する治療はほぼ停止状態に追い込まれているという。また救急搬送の困難事例が多発しており、このままの規模の感染状況が続けば、首都圏と同じように適切な医療を受けることができず、救えるはずの命が救えなくなるとしている。

もはやスーパーの買い物ですら感染事例発生 

 また緊急声明で特に強調されているのが、デルタ株の感染力の高さだ。第5波では、いわゆる感染リスクの高い行動だけでなく、スーパーでの買い物など、日常的な行動ですら感染要因になったと推測される事例が出ているという。声明では「外出そのものを可能な限り少なくしないと感染拡大は止まらない」と指摘し、府民に対しできる限り外出を控えてほしいと呼びかけている。

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