DaVinci Resolve製品事例:映画「The Protégé」の場合

Blackmagic Designによると、Nu Boyanaポストプロダクションが、マーティン・キャンベル監督の新作スリラー映画「The Protégé(原題)」のグレーディングに、

DaVinci Resolve Studio

ワークフローを使用したという。

同作は、デヴィッド・タッターサル氏が撮影監督、バネッサ・テイラー氏がグレーディングを担当した。

テイラー氏:クリエイティブな業界でトップを走るマーティンやデヴィッドと一緒に仕事ができたことは、とても光栄でした。グレーディングに関する彼らの希望は一致していたので、その点はやりやすかったですね。

テイラー氏によると、ストーリー展開にとって重要な局面において、観客の意識を誘導することが最大の焦点だったという。

人は、映像の中で最も明るい部分に目がいきます。つまり映像の一部を暗くしたり明るくしたりすることで、観客をストーリーに沿うよう誘導できるのです。

マギーとパトリックのオートバイのシーンには、多大な注意を払いました。このシーケンスでは、前と後ろからのカメラアングルで撮影し、センサーで様々な色温度のバージョンをキャプチャしています。バランスに関しては、デヴィッドと緊密に協力し合い、プライマリーツールとカーブツールを併用してマッチさせました。

特に難しかったのは、ジャングルの中に修道院のセットが含まれているシーンだったという。

マギー・Qの顔に反射するスピルを取り除くために、グリーンのバランスを調整する必要がありました。色温度を暖かくすると、マギー・Qのリップの色が浮いてしまいます。この現象は、蛍光色素を含む一部のリップでが起きることがあります。デジタルカメラが蛍光色素を拾ってしまうので、唇が過度に発光して見えるのです。マギーの唇をキーで抜いて、リップの色を変更してカラーコレクションを実行しました。

DaVinci Resolveを使用する上で、テイラー氏が特に気に入っている機能はLUTプレビューだという。

DaVinci Resolveの新しいカラーマネージメント・ワークフローでは、ルックファイルであるLMTを多用しています。そのため、プレビューで確認しているクリップのイメージに、これをロードできる機能は非常に便利ですね。

カラリストの役目は、第一に強調することです。イメージをオリジナルから変更すればするほど、結果はデジタル味を増します。私たちが行なっていることは、この補完ですね。最も簡単にグレーディングできるイメージは、最も美しいイメージです。

デヴィッドは、この作品のルックと雰囲気を驚くほど美しく撮影してくれました。ですから、私は結果にとても満足しています。本当に素晴らしいルックの作品になったと思います。

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