「近場でキャンピングカー」人気 コロナ禍で新しい楽しみ方

運転席と助手席の上部にも就寝スペースがあり、6人が横になれるキャンピングカー(和歌山県印南町美里で)

 新型コロナウイルス感染拡大の影響でレジャーの形態が変化する中、車中で寝泊まりできるキャンピングカーが注目されている。和歌山県内で唯一、キャンピングカーを扱っているという印南町内のレンタカー業者によると、県内の人が近場で利用する傾向が増しているという。

 同町美里にある「アップスレンタカー」は、6年前からキャンピングカー1台をレンタルしている。代表の前山智也さん(46)が旅行で車中泊を多く経験し、旅の形態として提案できればと事業を始めた。

 コロナ禍の前は京阪神の利用客がメインで、紀南地方を巡るパターンが多かった。府県をまたぐ移動が控えられるようになったコロナ禍以降は、県内の人が県内を巡る利用が半数以上になった。

 車両は7人乗り、最大6人が横になれる仕様。冷蔵庫や電子レンジがある他、ルーフにはソーラーパネルを搭載し、エンジンを切った状態の電源に充当できるようにしている。

 1家族だけで、不特定多数との接触をなるべく避けながら、景勝地をドライブしたり、車内で食事したりしたという利用が目立っている。キャンプ場を利用する場合も、テントよりも安心でき、普通車よりも快適という。

 不要不急の外出自粛が要請される中、前山さんは「コロナ禍が長期化する中、レジャーのツールとしてキャンピングカーが、今まで関心がなかった人たちの目を引いた部分もあると思う。状況を見て今後旅行を計画する際、キャンピングカーを選択肢に入れてもらえれば」と話している。

ベッドになる座席などが装備されている車内

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