吉田鋼太郎演出舞台「ムサシ」が開幕 武蔵演じる藤原竜也「コロナ禍の大変な状況でも一丸となって」

最終舞台稽古を行った溝端淳平(佐々木小次郎役=左)と藤原竜也(宮本武蔵役)

俳優の吉田鋼太郎(62)、藤原竜也(39)、溝端淳平(32)らが24日、25日に開幕する舞台「ムサシ」(彩の国さいたま芸術劇場)の最終稽古を行った。

演出家・故蜷川幸雄氏が手掛けた傑作の一つで、劇作家・故井上ひさし氏が書きおろした同舞台。吉田が蜷川氏の遺志を受け継ぎ、今回は演出を務めた。

藤原は2009年の初演から宮本武蔵を演じ、6か国でこれまで約20万人を動員。巌流島の決闘から6年、宮本の元に、生きながらえた佐々木小次郎(溝端淳平)が現れ、命をかけた再対決が、「三日後の朝」と約束されるのだが…。「報復の連鎖」を断ち切れるかというテーマが描かれる。

演出とともに柳生宗矩役として出演する吉田は「『ムサシ』、回を重ねておりますが、さらにパワーアップし強く、深く、繊細になっていると思います。出演者一同、初演からのメンバーは体にこの作品が叩き込まれておりますので、叩き込まれたことと、今回新たに発見したこと、その2つをプラスして、さらに井上先生の深い世界、蜷川幸雄演出のダイナミックな部分、そして細やかな部分すべてが際立つような仕上がりになってます」とコメントした。

藤原は「コロナ禍という大変な状況の中でも、この作品をより良いものにできるように、チーム一丸となって稽古を重ねてきました。劇場で芝居を見るという喜びをお客様と共有できるように、ひたすらに頑張ります」と決意。溝端も「3度目の参加となりますが、また一から小次郎と向き合う中で改めてこの戯曲の崇高さを感じています。同時に老若男女問わずクスッと笑える優しさと、命の尊さを力強く伝えてくれる『ムサシ』はまさに今やるべき戯曲であると思います」と力を込めた。

同舞台は鈴木杏(筆屋乙女役)、塚本幸男(沢庵宗彭役)、白石加代子(木屋まい役)らも出演。埼玉公演を皮切りに、東京公演(Bunkamuraシアターコクーン)、大阪公演(梅田芸術劇場シアター)、北九州公演(北九州芸術劇場)、浜松公演(浜松市浜北文化センター)を上演。

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