人口900人の村でコロナ急増 観光客増えバスもすし詰め… 沖縄・座間味

 【座間味】座間味村で8月以降、新型コロナウイルスの感染者が増えている。村によると、7月31日から8月24日までの新規感染者は20人。うち24日の時点では10人が療養中だ。村の人口は942人。直近1週間の10万人当たりの新規感染者数は849.26人となっている。同時期の県全体の10万人当たりの新規感染者(308.46人)を大幅に上回っている。村内は医療機能がぜい弱なため、住民からは「(感染増加で)安心して外に出られない」との声も聞かれる。

 現在療養中の10人は18日以降の陽性者で、18日は2人、19日は4人、21日以降は毎日1人ずつ陽性が確認されている。療養者の病状について村は「プライバシーのため答えることができない」としているが、村内で自宅療養しているか、沖縄本島内でも療養しているとみられる。村内の自宅療養者は県立病院付属の2カ所の診療所の医師が診ている。

 感染者の増加によって、座間味診療所は23日から通常医療の提供が困難になったとして、初診と急患を除き、電話での診療に切り替えた。

 県は離島で重症者が出た場合の対応について、できるだけ沖縄本島に搬送するとしている。村はコロナ患者向けの移送用車両を所持しており、陽性者を同車両に乗せフェリーで本島に搬送している。病状に応じてドクターヘリも利用する予定だ。宮里哲村長は「ぜい弱な医療体制の中、県としっかり連携しながら重症者の搬送に備えた体制をしている」と話している。

 一方、地元住民によると、座間味島では緊急事態宣言中多くの観光客が訪れ、村営バスは時折すし詰め状態になることもあるという。

 村は23日から9月12日までの間、泊―阿嘉、座間味間を往復するフェリーと高速船の乗船人数を削減した。このほか、定期的に村民対象のPCR検査も実施しており、8月24日は約200人が検査を受けた。村は今後村内での陽性者の増加が続けば運航時間の変更や減便も検討するとしている。

 (金城実倫)

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