JR九州 利用状況公表 「肥前山口-諫早」は57%減 コロナ禍響く

県内3路線の利用状況

 JR九州は24日、2020年度の路線・区間別の利用状況を公表した。新型コロナウイルス感染拡大や昨年7月の豪雨の影響で、1キロ当たりの1日平均乗客数を示す輸送密度はほぼ全区間で前年度を下回り、長崎県関係では、長崎線の肥前山口-諫早が57.4%減で減少幅が最も大きかった。
 全体で見ると、前年度と比較可能な55区間のうち54区間で前年度を下回った。長崎線全体(鳥栖-長崎)では前年度比45.9%減の7426人、旅客運輸収入は54.7%減の52億9800万円だった。肥前山口-諫早は全体でも3番目に減少幅が大きく、特急など中長距離の利用減が響いたとみられる。諫早-長崎の輸送密度は37.0%減、喜々津-浦上は23.5%減。
 佐世保線(肥前山口-佐世保)は46.1%減の3232人、旅客運輸収入は56.5%減の7億6900万円。大村線(早岐-諫早)は25.3%減の3520人、旅客運輸収入は40.5%減の5億5千万円。近距離や定期券利用が多いところは比較的落ち込み幅が小さい傾向があった。
 55区間の中で、輸送密度が前年度を上回ったのは豊肥線の宮地(熊本県)-豊後竹田(大分県)の1区間のみ。一方、減少幅が最大だったのは宮崎空港線(田吉-宮崎空港)の66.2%減、次いで日豊線の佐伯(大分県)-延岡(宮崎県)58.9%減だった。

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