韓国が日本依存の「半導体超純水」国産化のため産官学連携 1.8兆円市場を狙い海外進出も

韓国政府が日本の半導体分野輸出規制に対応するため、(半導体製造用)超純水の国産化のための協議に入る。

韓国環境部は26日に、半導体超純水国産化のための協議体初会議を開くと25日明らかにした。

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会議には、韓国水資源公社、韓国環境産業技術院、韓国水フォーラムをはじめ、政府や公共機関、学界、産業界の関係者が参加して議論をする。

韓国は、半導体加工と洗浄に必要な超純水を、日本をはじめとする海外企業に依存している。超純水は数十単位の工程が緊密に結合しており、高品質の生産が容易ではない。

超純水(ultrapure water)とは、有機物や電気伝導度を最小化して、不純物がほとんどない状態で精製された水を意味する。超純水は、半導体製造工程の前後に行われる洗浄作業に活用され、半導体の生産性を向上させる重要な要素の一つだ。

環境部は国産超純水の商用化に必要な5つの課題に480億ウォン(約45億円)を投入する。具体的には▲有機物紫外線酸化装置の開発に32億ウォン▲溶存酸素除去脱気膜開発に24億ウォン▲一日2400t規模の実証プラント構築に337億ウォン▲超純水認証評価および検証システムに25億ウォン▲半導体廃水再利用率の向上に46億ウォンなどだ。

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過去2018年基準の超純水の市場規模は、韓国が1兆ウォン(約960億円)、世界では19兆3000億ウォン(約1.8兆円)規模であり、今後さらなる成長が予想される分野だ。

環境産業技術院は、超純水製造工程の国産化技術開発事業実施の課題別支援計画を提示する。

民間企業A社は、最近プラント敷地に決定された敷地・建築物、技術の国産化の後にプラントに適用に必要な事項を、政府と関係機関に要請する計画だ。

水資源公社は、超純水製品の国産化、設計・施工・運営が統合された国産化技術開発、技術需要先コラボレーションなどを発表する。

CJ K Alliance(株)は産業界を代表して性能検証システムなどの国産化と事業化に必要な点を提言する。

ソン・ヨングォン環境省水産業協力課長は、「半導体超純水技術の開発を通じて、海外の技術・製品への依存を減らすと同時に、関連する水産業の海外市場進出への橋頭堡を用意する計画」であるとし、「半導体超純水製造技術の国産化と商品化の成功のための研究開発を実行機関、関連産業界等と持続して緊密な協議を続けていく」と明らかにした。

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