矢野阪神 勝負の秋へ“隠し球”アリ 左腕・高橋が9月中にも戦線復帰へ

9月中にも復帰か

阪神が25日のDeNA戦(京セラ)に2―10で完敗。2位・巨人が広島に勝ったため、ゲーム差は1にまで縮まった。

牧に5打数4安打5打点と大暴れされ、プロ野球史上初となる新人選手のサイクル安打達成を許すなど、この日の阪神は投打に精彩を欠く内容。先発投手の伊藤将は3回5失点で6敗目。序盤で大差のリードを許すと、矢野監督は梅野、近本らを早いタイミングでベンチへ下げる〝温存策〟を選択。まだ8月。本当の勝負はこれからということもあり、主力の消耗を防いだ格好だ。

最後にリーグ制覇を果たした2005年以降、何度となく優勝争いに絡みながら「秋以降に失速しV逸」というパターンを繰り返してきた。だが今年は例年にないほど、戦力的な余力を持って勝負の9月に臨むことができそうだ。

〝鬼札〟はまだ手元に隠してある。2月の春季キャンプ(沖縄・宜野座)中に右脇腹を痛めて以降、長く戦線を離脱してきた高橋遥人投手(25)だ。夏場以降、ファームでの実戦に復帰した左腕は22日のウエスタン・ソフトバンク戦(筑後)でも5回無失点の好投。金村投手コーチは「故障明けなので慎重に。まだトレーナー管理なので、もう少しファームで長いイニングを投げてから」一軍に昇格させる考えを明かしているが、このペースなら9月中の戦線復帰も現実味を帯びてきた。

後半戦の開幕ローテに抜擢された藤浪と二保は結果を残せずファーム行き。エース・西勇も5戦連続白星なしと不調が続く。先発ローテ再編の必要に迫られている矢野阪神にとって、チーム内外からポテンシャルを高く評価されている左腕が一軍復帰となれば頼もしい。最後の最後に笑うためにも今はまだ焦らない。隠し球は手元で大切に磨いておく。

© 株式会社東京スポーツ新聞社