中田翔騒動も一因? 西武・佐々木処分で「違反者に対して統一ルールを」の声

対外試合出場禁止処分となった佐々木

厳しい対応は球界全体を浄化できるか。西武が新型コロナウイルス感染防止に関する球団ルールに違反した佐々木健投手(25)に対し、1か月間の対外試合出場禁止処分を25日に下したことが球界内で話題になっている。

佐々木は7月から8月にかけて同居家族以外の知人女性と長時間におよび面会。チームから義務付けられていた行動記録の未提出と記載漏れがあったという。違反は計2回で23日に佐々木自身から報告があり、球団側は24日に詳細を確認。これを受け、ただちに処分を下した。

首都圏を中心に日本各地で現在、緊急事態宣言が発出されている。その中でもプロ野球が観客の入場制限付きながら連日開催できているのは、各チームの選手や球団関係者の厳しい感染防止対策やルール順守が徹底されてのこと。今回の佐々木の軽率な行動は球界全体に対する背信行為。西武の素早い対応も必然と言える。

ただ、この迅速かつ厳罰を科した西武の動きに戦々恐々なのが他球団だろう。佐々木のように「同居家族以外との会食」や「知人との長時間の面会」が長期間の出場禁止処分の対象となると、今後西武の「先例」に従わざるを得なくなる恐れがあるからだ。

例えば今年5月に複数のオリックス選手が遠征先ホテルで知人女性らと飲み会を行っていたことが発覚した件。当該選手たちは不適切行動後、世間から厳しい声が相次いだ。だが、球団側が下した処分は「厳重注意」にとどまった。当時とはコロナの感染拡大状況が異なるとはいえ、今回の佐々木の行為と大差はない。にも関わらず処分は大きく異なるだけに今後は各球団も対応に追われるに違いない。

ある球界OBの一人もこう話す。「中田(巨人)のトレードによる謹慎処分解除もそうですが、処分が各球団によって違いすぎます。このままでは選手も困惑するはずなので、今こそコロナに限らず違反者に対しての統一ルールを球界全体で作るべきでしょう」

球界全体の行動規範が問われ始めている。

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