広島・鈴木誠が抱く強烈な危機意識 走攻守「全部足りない」と語る真意は

7回、17号3ランを放った鈴木誠

広島が26日の巨人戦(東京ドーム)に11―2で快勝した。ヒーローは鈴木誠也外野手(27)だ。初回に先制の16号2ラン、7回にもダメ押しの17号3ランを放つなど4打数3安打5打点の大活躍を見せ、チームの連敗ストップに貢献した。

先制の16号は菅野から打った今季4本目の本塁打。それでも鈴木誠は「いや、たまたまです」と控えめだった。東京五輪の野球日本代表・侍ジャパンでは金メダルを獲得。しかし、チーム合流後の後半戦開幕から調子が上がらなかったこともあり「これからしっかり結果が出せるように頑張っていきたい」と話した。

そんな鈴木誠が自身に求めるレベルはとてつもなく高い。2016年から昨年まで5年連続で打率3割を達成していても、ベストナインを5度、ゴールデン・グラブ賞を4度受賞しても「(走攻守の)全部足りないんで全部やるしかないです」と話す。

常に新しいことに挑戦し「これまで以上」を追及するのは強い危機感があるからだ。「(自分の)何もかも全部満足してないです」。特に今年は「ここまでひどいのは(過去に)ない」と表現するほどに苦しんでいることもあいまってか「今まではたまたまうまくいっていただけ」とも語る。

東京五輪では全5試合で4番を務め、広島でも打線を引っ張る立場だけでなく若くして野手キャプテンの重責を担う。多くのプレッシャーを抱えながらも、この日のヒーローインタビューでは「少しでもいい試合を見せられるように僕も必死に頑張りたいと思うのでこれからも応援よろしくお願いします」とファンへメッセージ。最下位脱出へコイの主砲がさらに力を込める。

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