日本の女子プロはやはり「井の中の蛙」か…全英女子OPのリンクスに誰も歯が立たず(宮崎紘一)

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リンクは荒々しいコースレイアウト(C)ロイター/Action Images

【世界ゴルフ新潮流】

今年の女子メジャー最終戦「全英女子オープン」は、スコットランドのカーヌスティGLで行われた。日本ツアーからは4選手(米女子ツアー資格の畑岡奈紗、笹生優花とアマ梶谷翼の日本人選手を除く)が出場し、青木瀬令奈と原英莉花は予選落ち。決勝に残った古江彩佳の通算5アンダー・20位が最高位で、渋野日向子は同1アンダー・34位と優勝争いにはほど遠い成績だった。

全英会場は海沿いのリンクスコースで行われることが多い。ポットバンカーや硬いフェアウエーなどコースがタフなうえ、目まぐるしく変わる風、雨、寒さなど厳しい自然との闘いでもある。

だが今年は4日間とも天候は穏やかで、日本人プロには戦いやすかったはずだ。しかし、リンクスに歯が立たなかった。

日本を代表する原英莉花は昨年、2つの国内メジャータイトルを獲得しているが、本場メジャーでは予選すら通らない。

なぜか?

ゴルフネットワークに出演した北田瑠衣と岡本綾子の指摘にうなずいた。

北田は宮里藍とペアを組んで勝った第1回女子ワールドカップ(2005年)について、「もう二度とあんな難しいコースでやることはないと思った」と海外大会の厳しい設定に打ちのめされた経験を語った。

岡本は、「日本人はスイングばかりにこだわるが、外国のトッププロは、スイングより球筋を考える」と日本人プロの技術不足を指摘した。

今大会も海外のトッププロはホールや風、さまざまな状況によって弾道を使い分けていた。危険なポットバンカーや深いブッシュがあれば、手前で止めたり、インテンショナルな球筋、高低差を打ち分ける――。つまりコースが選手に的確なマネジメントを要求する。だが渋野はすべてフルスイングで、バンカーやクリークに打ち込み、簡単にダブルボギーをたたき、積み上げた貯金をすぐに吐き出してしまった。

■コースが選手を育てる

カーヌスティGLで行われた1953年全英オープンにはベン・ホーガン(米国)が初出場し、コースを一目見て「ここはポットバンカーとラフに打ち込んだら勝機はない」と気づいた。そこで徹底したコースマネジメントで4日間一度もバンカーに入れずに優勝した。

ホーガンの全英出場は、この一度きりだ。

日本の試合会場には本場リンクスのような厳しい設定はない。だから一番大切なコースマネジメントや、そのためのスイングや技術、メンタルが身につかない。これからは世界基準のコース設定で大会開催を目指さないと、日本の女子プロは“井の中の蛙”になってしまう。

(宮崎紘一/ゴルフジャーナリスト)