韓国紙「日本でのモデルナ異物発見、予見されたこと」「韓国は供給量が半分以下に」

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日本でモデルナ製の新型コロナウイルスワクチンから金属成分が検出されたことを受け、「予見された事故」という声が韓国メディアから出ている。

韓国の有力金融紙・マネートゥデイは26日、「全世界的にモデルナの供給異常信号が絶えず検知される」とし、韓国への大規模な供給支障や、日本での今回の異物混入事件も「予見された事故」だったと指摘した。日本でこの件により約160万回分の接種が中断されたが、「来月からまた同様の問題が発生しないという保証がない」と伝えた。

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韓国はモデルナから8月に850万回分のワクチンを供給される予定だったが、協力工場の問題のために、供給量が半分以下になるとの通知を受けたばかりだ。

背景として同紙は、モデルナがまだ新しい会社であり、昨年のコロナ拡散まで創業者以外の従業員数がいない米国のバイオベンチャーだったことを挙げ、「米国政府の大規模な資金が投入されて10ヶ月ぶりにワクチン開発を終えたが、大量生産と管理、流通は別の問題であった」とし、生産や流通経験が豊富なファーザーのワクチンが供給において比較的問題がないことと対比した。

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モデルナは、欧州地域のサプライチェーンの問題のために、英国やカナダなど、米国以外の国でのワクチンの供給が不足するという予想を出しており、カナダは6月までと約束していた約5000万回分の量のうち、4000万回だけ供給すると通知するなど、支障が続いている。

マネートゥデイ紙は、モデルナのサプライチェーンが世界中に散らばっており、統合管理が難しいことを指摘。モデルナのワクチン生産の核心となる原液は、スイスのロンザが生産し、スイスと米国などで生産された主原料を供給される。ワクチンの主要伝達物質であるLNP(脂質ナノ粒子)はドイツのコーデンファーマから空輸する。このように作成された原液は米カタレントとスペインのロビ、フランスのレシファームなどに伝達され、バイアル(保管用ガラス容器)に入れられ、最終的に商品になる。

このようなサプライチェーンの複雑さから、同紙は、「今後再び同じような類の問題が発生しないという保証がないというのが業界の指摘だ」と伝えた。

また、モデルナが韓国政府に対し「9月の供給物量はどの時点で供給するかもまだ通知していない状態だ」とし、そのような中でまた供給に支障が出ると、「10月の接種計画にも支障が出る可能性がある」と伝えた。

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