貯金箱

 カワウソ、国際宇宙ステーション(ISS)、八百屋に富士山、招き猫にニンジン畑に祖父母の家の縁側…。いったい何の話か-というと、どれも小学生が工作でこしらえた「貯金箱」のモチーフ。昨年のゆうちょ銀行「アイデア貯金箱コンクール」入賞作品集から▲コンクールは、旧郵政省時代の1975年に郵便貯金の創業100周年を記念して始まったそうで、今年で46回目。貯蓄への関心や「お金」への理解を育てる狙いもあるのだとか▲貯金箱は「夏休みの工作」の定番だ。なるほど考えてみれば、コインの投入口と「箱」さえあれば、どんな形でもお金は貯められるから、工作としての自由度は高い。もちろんこのコンクールも“定番”の地位を支えているのだろう▲工夫を凝らした自作の貯金箱に少しずつお金が貯まる…励みになりそうだ。ただ、貯金箱のサイズによっては、その先に少し気になるハードルがある▲実は最近まで知らずにいたのだが、入金や両替で一度にたくさんの小銭を金融機関に持ち込むと、枚数によっては手数料が必要になる。ゆうちょ銀も来年1月からルールが変わるらしい▲重くなった貯金箱を大事に抱えて窓口へ。うわあ、頑張ったね、いくらあるかな、と行員さんも笑顔…そんな場面はやがて消えてしまうのだろうか。(智)

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