井岡一翔 ドーピング騒動後からの再出発は無観客試合も「やるべきことをやる姿を見せたい」

公開練習を行った井岡一翔

WBO世界スーパーフライ級王者の井岡一翔(32=志成)が27日、同級2位のフランシスコ・ロドリゲス・ジュニア(メキシコ)とのV3戦(9月1日、大田区総合体育館)を前に公開練習を行った。

先週までスパーリングを行ってきたという井岡は「(減量は)あと3キロくらいです。もう追い込んできたので、体の疲れを抜きながら、体重も落としながら微調整ですね」と順調な調整をアピールした。前日の26日にはWBC世界ライトフライ級王者の寺地拳四朗(BMB)の新型コロナ感染が発覚しV9戦が延期になったばかり。井岡も「今も誰がかかってもおかしくない状況だと思ってるので。試合ができることは奇跡に近い状況のなかで、怖さもありますけど今はパーセンテージを減らすように心がけるだけなので。できることはやってるって感じですね。(生活は)ジムと自宅だけです」と感染予防を徹底しているという。

収束の気配が見られないコロナ禍の影響により、V3戦は国内の世界戦では初の無観客試合となる。井岡は「どうせなら観客を入れて興行として盛り上げたかったですけど、それは少し残念に思う気持ちと、この状況を理解しないといけない気持ちと。(試合を)やれることにありがたく思うし。自分が試合に向けてやるべきことは変わらないので。動じずに自分のパフォーマンスに集中したいと思います」。ファンや家族からの応援を会場で受けられない状況にも「いい試合、見てもらってる方が何かを感じてもらえる試合にできる自信はあるので。なにか必ず伝わるものがあると思うので。こういう状況であっても自分のやるべきことをやる姿を見せたいですね」と腕をぶした。

昨年大みそかの田中恒成(畑中)とのV2戦では、試合のドーピング検査で禁止薬物の陽性反応を示したとされ騒動に発展。だがその後の調査で日本ボクシングコミッション(JBC)の管理体制などの不備が発覚し、謝罪を受け和解した。騒動後初の試合を前に井岡は「特別な説明は受けてないですけど、いま現在改めて言うことではないですけどね。色んな場で話してきたので、それが伝わってると思って今回の試合にも臨むので。いつもと変わらず正々堂々と戦うだけ。JBCはJBCでやるべきことはやっていただきたいという気持ちです」とキッパリ。全員が全員「やるべきこと」をやって世界戦が無事に行われ大団円となれば、それに越したことはない。

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