大谷翔平がMLB公式の「サイ・ヤング賞」候補5傑入り 専門家も唸る“数字以上の衝撃”

ロサンゼルス・エンゼルス大谷翔平投手は26日(日本時間27日)、敵地でのボルティモア・オリオールズ戦に「1番DH」で出場。初回の第1打席に7試合ぶりとなる41号ソロを放ち、本塁打王争いで再び独走態勢に入った。

今日は2打数1安打1打点2四球の活躍で、打率.269とした。大谷は自身初めてシーズン規定打席の502に到達したが、チームは1-13の大敗を喫した。

懸案のエンゼルス投手陣は大炎上しているだけでなく、離脱者も続出しており、大谷の登板間隔に影響を与える可能性も浮上してきた。また、MLB公式サイトは、「投手・大谷」を現時点で「サイ・ヤング賞」候補の5番手に挙げた。

◆【動画】これが大谷翔平のムーンショット 敵地スタジアムの上空に放物線を描いた「打球角度45度」の軌道映像

■打撃では先頭打者アーチをかける

ベーブ・ルース生誕の地、ボルティモアで今季41号となる先頭打者アーチを放った大谷。本塁打王争いで2位のゲレーロJr.に再び5本差をつけた。打球は、速度110.7マイル(約180キロ)、角度45度、飛距離は374フィート(約114メートル)を記録。滞空時間6秒を刻んだムーンショットは右翼席に飛び込んだ。

この日、チームの唯一の得点を生み出した大谷のバット。2四球を選ぶなどリードオフマンとしての仕事をまっとうしているが、MLB公式サイトは改めて「投手・大谷」に注目。「2021年のサイ・ヤング賞は…」という見出しで、特集記事を掲載。

「MLB.com」の専門家たちに投票を依頼、受賞にふさわしい候補者の名前を挙げてもらっている。

■候補に挙がっていること自体が驚き

その投票結果によると、最も票を集めた1位(ア・リーグ)は、ニューヨーク・ヤンキースの剛腕、ゲリット・コール。寸評ではWHIP(0.97)、k/9(12.11)などの数字がリーグ上位であると伝え、「初受賞を目指し、あと1カ月が勝負」と記した。

大谷は多くのエース級を抑え、5位にランクイン。「オオタニはこの賞を受賞するのに十分なイニングを投げられないかもしれないが、エンゼルスで彼が担ってきた攻撃を考えると、彼がサイ・ヤング賞の候補に挙がっていること自体が驚くべきこと。ア・リーグのMVP候補は、105回を投げて防御率3.00、WHIP1.06、127奪三振を記録し、最近はさらに力をつけてきている」とした。

■30人の記者がそれぞれの価値観で投票

イニング数は確かにハードルだが、近年の「サイ・ヤング賞」は勝利数だけでは決まらないという点も見逃せない。2018、2019年はニューヨーク・メッツのデグロムがそれぞれ10、11勝というリーグ最多勝利数ではなかったが連続受賞している。

記者30人の投票によって決まる同賞は、記者それぞれの価値観が大事にされており、日本の「沢村賞」のように必ずしも先発完投型に贈られるわけでもない。過去にはリリーバーが受賞したケースもあるし、数字には表れないチームへの貢献度などを加味する記者もいるという。

その年によって微妙に変わる記者の意識と、それに伴う投票行動。全米を席巻している大谷のインパクトが、「サイ・ヤング賞」の票につながったとしても実は不思議ではない。また、エンゼルスは現在、投手陣が次々とIL入りしており、ローテーション再編を巡り大谷の登板間隔が短くなる可能性も浮上している。

今後もし、中4日や中5日の登板で白星を稼ぐようだと、いよいよ「打撃2冠」と「サイ・ヤング賞」受賞という夢物語が現実のものとなるかもしれない。

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文・SPREAD編集部

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