《東京パラリンピック》唐沢が銀 群馬県勢初メダル 陸上男子5000

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陸上男子5000メートル(視覚障害T11) ラスト1周でスパートする唐沢(県社会福祉事業団、右))と伴走者の茂木(撮影・入山亘)
陸上男子5000メートル(視覚障害T11) 2位でゴールし、伴走者2人と日の丸を掲げてガッツポーズの唐沢剣也(中央、県社会福祉事業団)(撮影・入山亘)

 東京パラリンピック第4日の27日、陸上の男子400メートル(車いすT52)で前回大会2位の佐藤友祈(31)=モリサワ=が55秒39の大会新で制し、金メダルを獲得した。今大会の日本勢2個目。上与那原寛和(50)=SMBC日興証券=が3位に入った。男子5000メートル(視覚障害T11)では群馬県勢の唐沢剣也(27)=県社会福祉事業団=が銀メダルに輝いた。県勢のメダルは今大会初。同種目で和田伸也(44)=長瀬産業=は2大会ぶりの銅メダルを手にした。同100メートル(上肢障害T47)の石田駆(22)=愛知学院大=は5位。

 柔道は男子66キロ級の瀬戸勇次郎(21)=福岡教大=が3位決定戦を制して銅メダル。女子48キロ級の半谷静香(33)=トヨタループス、同52キロ級の藤原由衣(28)=モルガン・スタンレー・グループ=はともに3位決定戦で敗れた。

 卓球の女子シングルス(知的障害)は伊藤槙紀(36)=CTCひなり=が準決勝に進出。3位決定戦がないため、メダルが確定した。

 車いすラグビーの日本は1次リーグでオーストラリアに57-53で勝ち、3戦全勝で28日の準決勝に進んだ。車いすバスケットボール女子の日本は準々決勝進出が決定。

 自転車女子500メートルタイムトライアル(運動機能障害C1~3)は杉浦佳子(50)=楽天ソシオビジネス=が4位。競泳の男子100メートル背泳ぎ(運動機能障害S8)で窪田幸太(21)=日体大=が5位に入った。

◎終盤、一時トップに 唐沢

 「金が目標だったので悔しいが、持てる力を出し切った」。陸上男子5000メートル(視覚障害T11)で銀メダルを獲得した唐沢の表情は、晴れやかだった。2016年のリオデジャネイロ大会後から本格的に競技を始め、驚異的な早さで実力をつけてきた努力家は、多くの支援者の思いを背負って力走した。

 想定通りのレース運びだった。世界新記録を樹立した5月の東日本実業団選手権と同じく4000メートルまで体力を温存し、残り1000メートルで勝負を仕掛ける作戦で臨んだ。「何通りもプランを立てていた」。他の選手と冷静に駆け引きを繰り返しながら、走りやすい3~5位の順位をキープした。

 4000メートルから得意のロングスパート。伴走者の茂木洋晃さんから「トップいけるぞ。ラスト勝負いこう」と鼓舞され、先頭を走るブラジルのエウチン・ジャッキスを猛追。一時はトップに躍り出た。

 パラリンピック挑戦を決意してから5年。伴走に協力した多くの市民ランナーらに支えられてきた。有志による支援団体「からけん会」(前橋市)代表の清野衣里子さんは、唐沢から一度も文句や愚痴を聞いた事がないという。ひた向きに練習に打ち込み、長く伴走者を務めてきた星野和昭さん(上武大駅伝部元コーチ)も舌を巻くほど急成長。今春からは実業団のSUBARU(スバル)陸上部のサポートで走りに磨きをかけ、期待に応えた。

 清野さんらへの恩返しのためにも、絶対に立ちたかった表彰台。「帰ったらメダルを(清野さんに)かけてあげたい」。達成感とともに、感謝の気持ちが心からあふれた。(金子雄飛)

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