【東京パラリンピック】陸上・佐藤友祈 金メダルの原動力になった愛妻の「料理マジック」

金メダルの佐藤友祈(ロイター)

夫を支えた妻の〝手料理〟とは――。陸上男子400メートル(T52)決勝(27日、国立競技場)、佐藤友祈(31=モリサワ)が大会新記録の55秒39で金メダルを獲得。終盤までリードを許す展開だったが、ラスト20メートルでレーモンド・マーティン(米国)を逆転し、渾身(こんしん)のガッツポーズを見せた。

2016年リオ大会は2種目で銀メダルに輝いたものの、金メダルはなし。その悔しさから「東京大会で世界記録を更新して金メダルを獲得する」と大会後に長期プランを策定。練習メニューはもちろん、当時の所属先と相談し、練習時間の確保にも取り組んだ。

19年夏には、麻由子さんと結婚。食事面でのサポートが佐藤にとってプラスに働いている。一人暮らし時代はコンビニや宅食サービスを使用することが多かったが、結婚後は麻由子さんが栄養面を意識した料理を作ってくれるようになった。

佐藤は「奥さんは料理が上手で、僕自身苦手な食べ物が結構あるけど、奥さんのマジックなんですかね? 嫌いなものも気にせずに、ある程度のものであれば食べられるようになった」と感謝する。特に味噌汁がお気に入りで「いろんな具材で作ってくれる。本当においしいし、今日の料理はいまいちだったなと感じることがない」と舌を巻くほどだ。

まさに夫婦二人三脚でつかんだ金メダルだが、これで満足する気はない。2冠をかけた29日の1500メートルに向けて「そこではしっかり世界新記録と金メダルを取りにいく」。もう一度センターポールに日の丸を掲げるイメージはできている。

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