20年ぶり4強の近江、夏V2度の智弁和歌山の対決
第103回全国高校野球選手権は28日、阪神甲子園球場で準決勝2試合を行う。史上初めて4強を地元・近畿勢が占めるという展開となった。今大会は序盤悪天候に見舞われ、史上最多となる実に7度の順延。さらに新型コロナウイルスへの感染により、2校が大会中に辞退を強いられるなど異例尽くしの大会だ。勝ち残った4校の特徴を紹介する。
午前9時からの第1試合では近江(滋賀)と智弁和歌山(和歌山)が激突する。近江は準優勝した2001年以来、20年ぶりの4強進出。当時は島脇信也投手(元オリックス)と竹内和也投手(元西武)を擁し勝ち進んだものの、決勝で日大三(東京)に敗れた。
26日の準々決勝で、神戸国際大付(兵庫)にサヨナラ勝ちし勢いに乗る。ここまで4試合で合計28得点と打線が活発で、新野翔大一塁手(3年)、投手と外野手を兼ねる山田陽翔(2年)が本塁打を放っている。
一方の智弁和歌山は夏の甲子園で優勝2回、準優勝1回を誇る。今大会は2回戦が相手校の辞退で不戦勝、初戦となった高松商との3回戦が実に8月24日まで遅れるという異例の日程を強いられたが、2試合合計で26安打14得点とこちらも打線が活発だ。高嶋奨哉三塁手(3年)は、甲子園史上最多の通算68勝を誇る高嶋仁・名誉監督の孫で注目を集める。26日の石見智翠館との準決勝では左翼中段へ本塁打し、強打を見せている。
投手陣の安定感光る智弁学園、初出場Vかかる京都国際
また、第2試合は午前11時30分の開始予定。智弁学園(奈良)と京都国際(京都)の対戦だ。智弁学園は2016年春に全国優勝しているものの、夏は1995年の4強が最高成績。初の決勝進出をかけた戦いとなる。
ここまで4試合でわずか6失点。左の西村王雅投手(3年)と、右の小畠一心投手(3年)を中心とした投手陣は安定感抜群だ。打線も前川右京外野手(3年)がこの大会2本塁打しており、左打席からの鋭いスイングが目を引く。明徳義塾との準決勝では1-1で迎えた9回、表に1点を失ったものの、裏の攻撃で岡島光星内野手(3年)がサヨナラ打を放った。
決勝で、系列校の智弁和歌山と対戦する可能性もある。両校が甲子園で当たったのは2002年夏の3回戦が唯一で、当時は智弁和歌山が7-3で勝っている。
対する京都国際は、夏の甲子園に初出場。ここまでの3試合で前橋育英(群馬)、二松学舎大付(東東京)、敦賀気比(福井)という強豪をいずれも僅差で破り、勝負強さが目を引く。左腕エースの森下瑠大投手を始め、スタメンに2年生が5人並ぶのが特徴だが、準決勝では2-2の9回、松下恵富中堅手(3年)が右前にサヨナラ打。上級生と下級生の力を融合させ勝ち進んできた。
初出場校の優勝は第1回大会を除くと過去14校で、京都国際が果たせば2013年の前橋育英以来。快挙なるか注目が集まる。(Full-Count編集部)