東京パラ、柔道・半谷は3決敗退 リオと同じ相手、雪辱ならず

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3位決定戦でウクライナ選手(右)を攻める半谷静香=日本武道館

 東京パラリンピック第4日の27日、柔道女子48キロ級の半谷静香(33)=トヨタループス、いわき市出身=は3位決定戦で敗れ、メダルを逃した。

 橋本勝也(19)=三春町役場=が代表の車いすラグビーの日本は1次リーグでオーストラリアに57―53で勝ち、3戦全勝で28日の準決勝に進んだ。車いすバスケットボール男子は59―52で韓国を破り、1次リーグ2連勝とした。豊島英(あきら)(32)=WOWOW、いわき市出身=も勝利に貢献した。

半谷、最後まで粘り強く

 3度目のパラリンピックでも悲願のメダルに届かなかった。柔道(視覚障害)女子48キロ級の半谷は前回リオデジャネイロ大会と同じ3位決定戦で力尽きた。「見えにくい選手」から「見えない選手」になり初めて挑んだパラリンピック。半谷は「見えなくてもできることを証明したかった」と涙を拭った。

 初戦は相手に絞め技を決められて一本負け。失神して立ち上がることもできず、担架に乗せられ会場を後にした。「ここじゃ終われない」。敗者復活戦では、トルコ選手に技ありを先攻されたが試合終了5秒前、一本背負いで技ありを奪いそのまま抑え込んで逆転した。持ち前の「最後まで粘り強い柔道」を体現した。

 3位決定戦の相手は、くしくもリオ大会の3位決定戦でも対戦したウクライナ選手だった。残り1分23秒、外巻き込みで技ありを奪われる。追い込まれながら何度も相手の体を抑え込んだが、あと一手が足りなかった。試合後、ウクライナ選手が半谷を抱きかかえ健闘をたたえると、ようやくはじけるような笑顔を見せた。

 生まれつき網膜色素変性症で弱視だった。徐々に病気が進行し、2019年夏に障害の程度が最も重いB1(全盲)に。柔道には障害の程度によるクラス分けはない。過去2大会よりも難しい状況に置かれながら、それでも再びパラの舞台に立つ日を夢見て、体幹や技を磨くなど「相手が見える工夫」をしてきた。

 東日本大震災で家族は一時新潟県への避難を余儀なくされ、19年の東日本台風では実家が床上浸水の被害に遭った。「福島に元気を届けたい」と臨んだ大会。「おこがましいけど、何か受け取ってもらえたかな」。半谷の思いはきっと届いたはずだ。(阿部二千翔)

中学時代の恩師「頑張りに感動もらった」

 半谷の中学時代の恩師、西内英理(ひでまさ)さん(60)は「この5年間、諦めずに頑張ってきた彼女から感動をもらった」と涙ながらにたたえた。

 西内さんは、中学時代の半谷を「授業には真面目に臨む元気で明るい子だった」と思い出を懐かしむ。

 惜しくも3位決定戦で敗れてしまったが、西内さんは会員制交流サイト(SNS)を通じ半谷に「ゆっくり休んで、次の目標を見つけて頑張って」とメッセージを送ったという。「ハンディを感じさせない姿に自分も頑張ろうと思えた。これからも応援し続けたい」と話した。