放置自転車、無断で処分 小田原市、「失念」し通知出さず

小田原市役所

 神奈川県小田原市は27日、駅前などに無断駐輪され撤去した放置自転車120台を持ち主に引き取りを求める通知文を出さないまま、廃棄処分や民間へ無償譲渡していたと発表した。市は今後、持ち主への賠償を含めて対応を検討するとしている。

 市によると、無断で処分されていたのは昨年6、8、10月に小田原駅前の放置禁止区域などに止められていた自転車120台。放置自転車は撤去から最低60日間は保管され、防犯登録番号などから所有者を照会し、引き取りを求める通知書を送付することが市条例で義務付けられている。

 しかし、市地域安全課の職員が事務作業を怠り、通知文を送らないまま保管期限の切れた120台のうち86台を廃棄処分し、34台を自転車販売店でつくる県自転車商組合小田原支部に譲渡した。譲渡された自転車の一部は既に市内の店舗で売り出されて、回収はできないという。

 今年4月に担当職員が代わり、前年度の書類を確認したところ通知書の未送付に気付いた。事務作業を怠った職員は聞き取りに対して「ほかの仕事が忙しく失念してしまった」と説明しているという。

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