釣り糸放置ハト受難 神奈川・横須賀うみかぜ公園 足に絡まり、引きずる姿も

女性が護岸で拾ったごみ。大量の釣り糸に加えてたばこの吸い殻やペットボトルのラベルなどさまざまなごみが落ちていた

 釣りスポットとして人気がある神奈川県横須賀市のうみかぜ公園(平成町3丁目)前の護岸で、釣り人が残していった釣り糸がハトの足に絡まる被害が相次いでいる。ハトの足がちぎれたり、足を引きずったりする様子も見られ、動物保護団体は、釣り人の意識向上や行政の対策を求めている。

 同公園前の護岸は長さが400メートル近くあり、休日ともなれば、釣りざおを手にした家族連れらでにぎわう。目の前に公園の駐車場があって車内で休憩しながら過ごせるため、一日中楽しんでいる愛好家もいる。

 ただ、釣り人が残していく糸が問題を引き起こしている。動物保護団体「PEACE」会員で市内在住の40代女性は、6月に同所で数羽のハトの被害を見て以来、何度も出向いてハトの足に絡まった糸を取ったり、ごみを拾ったりしているが、やりきれない思いだという。女性は「釣り糸を取ってあげても、同じハトにまた新たな釣り糸が絡まっていて、いたちごっこ。被害を知らずに釣り糸を置いていってしまう人もいるのでは」と残念そうだ。

 市外からの釣り人も多く、ハトの被害を知らない人もいるのが実情だ。よく釣りに訪れる市内の60代男性は、数年前からハトの被害を目撃しているといい、「常連は出したごみは片付ける。マナーが悪い釣り人がいるのでは」と話す。

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