歴史をひもとく「器」150点 12日から横須賀で企画展

 横須賀市内で出土した近代以前の「器」をテーマにした企画展が12日から、市自然・人文博物館(同市深田台)で始まる。素材や用途もさまざまな所蔵品約150点を通し、江戸期の浦賀湊(みなと)の隆盛ぶりや近代化の歴史をひもとくユニークな試みだ。6月5日まで。

 展示品の目玉は17世紀後半の有田磁器。東浦賀の干鰯(ほしか)問屋が上方商人と盛んに取引した歴史から、多数の高級磁器が入ってきたとされる。市の重要文化財で、江戸前期の旗本向井将監正方夫妻の墓から出土した色絵磁器の茶わんも並ぶ。

 明治〜大正期の汽車土瓶や西洋式の日用雑貨容器などは、1889年の横須賀駅開業後に都市化が進んだことをうかがわせる出土品だ。同博物館の担当者は「目的や時代の異なる多様な器を通して、横須賀の歴史や特徴を多くの人に知ってほしい」と話している。

 午前9時〜午後5時で入場無料。12日と5月29日は、同博物館の学芸員による展示解説も行う。問い合わせは、同博物館電話046(824)3688。

© 株式会社神奈川新聞社