MotoGP第12戦イギリスGP:ポル・エスパルガロが移籍後初のポールポジション獲得。ホンダ勢としても2021年初の1列目

 8月28日、MotoGP第12戦イギリスGPの予選がシルバーストン・サーキットで行われ、MotoGPクラスはポル・エスパルガロ(レプソル・ホンダ・チーム)が獲得。KTMからホンダに移籍して初のポールポジション獲得となった。中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)はQ1突破ならず、15番手で予選を終えた。

 フリー走行3回目は気温14度、路面温度18度のドライコンディションで行われた。セッション序盤、トップに立ったのはホルヘ・マルティン(プラマック・レーシング)。2番手にはアレイシ・エスパルガロ(アプリリア・レーシング・チーム・グレシーニ)、3番手にはポル・エスパルガロ(レプソル・ホンダ・チーム)がつける。

 セッション開始25分、アレイシ・エスパルガロがトップタイムをマーク。しかし、残り時間13分でファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)、さらにジャック・ミラー(プラマック・レーシング)がアレイシ・エスパルガロのタイムを上回り、セッション終盤に入ってミラーがトップに立った。クアルタラロは前日のフリー走行2回目で転倒を喫して左足首を痛めたが、走行後の取材のなかでバイクに乗るには問題ないと語っている。

 セッション終盤、タイムアタックが始まるなかで、2019年イギリスGPのウイナーであるアレックス・リンス(チーム・スズキ・エクスター)が12コーナーで転倒。さらに残り1分でもポル・エスパルガロが転倒を喫している。

 トップタイムは依然としてミラー。ミラーは1分59秒288のタイムでそのままフリー走行3回目を制した。2番手はアレイシ・エスパルガロ、3番手はマルティンで、4番手はクアルタラロ、5番手がフランセスコ・バニャイア(プラマック・レーシング)だった。

 前日のフリー走行1回目で転倒したマルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)は10番手で、予選Q2進出を決めている。マルク・マルケスは前日の転倒で目に砂が入ったため、走行が終わった後に病院で目の洗浄を行ったという。また、中上は12番手で、予選をQ1から迎えることになった。

 フリー走行4回目はトップがクアルタラロ、2番手がポル・エスパルガロ、3番手がバニャイアで、4番手にはマルク・マルケスが入り、5番手はリンス。中上は19番手だった。

■予選でマルティンのタイム取り消し。P.エスパルガロがポール獲得

 予選Q1は気温18度、路面温度26度のドライコンディションで始まった。リンス、中上、ヨハン・ザルコ(プラマック・レーシング)、ミゲール・オリベイラ(レッドブルKTMファクトリー・レーシング)などがこのセッションから予選に臨んだ。

 序盤はリンスがトップタイムをマーク。2番手にはオリベイラがつける。しかしエネア・バスティアニーニ(アビンティア・エスポンソラーマ)、そしてザルコがリンスのタイムを上回り、前半のアタックではバスティアニーニがトップ、ザルコが2番手。中上はタイムを縮められず、10番手という状況だった。

 後半のアタックに入ると、中上がトップのバスティアニーニから0.328秒差の3番手に浮上。残り2分、バスティアニーニがセクター3で転倒。この期間でイエローフラッグが提示されたことで、黄旗提示中にこのセクターを通過した中上は、それまでの区間で自己ベスト更新タイムを刻んでいたものの、タイムの更新ができなかった。

 最後のアタックではザルコがトップに、リンスが2番手に浮上し、このふたりがQ2進出を決めた。バスティアニーニは3番手。中上はイエローフラッグ後の最後のアタックでもタイムを更新できず、5番手。15番グリッドに並ぶことになった。

 続いて行われたQ2では、序盤にクアルタラロがイギリスGPのレースウイークで初めて1分59秒を切り、1分58秒990を記録してトップに立つ。2番手にはバニャイア、3番手にはマルティンがつけて、後半のアタックに入った。

 終盤に入ると、タイムが次々に更新される。ポル・エスパルガロがトップに立つも、その直後、マルティンが1分58秒008を叩き出し、トップに躍り出た。マルティンのこのタイムは、これまでのオールタイムラップ・レコードを更新するもので、マルティンがトップのまま予選が終了した。しかし予選後、8コーナーでマルティンがコースを大幅にショートカットしており、トラックリミット違反を喫したとして、該当のタイムが取り消しになってしまう。マルティンは最終的に、4番手だった。

 このため、4番手までのライダーのポジションがひとつずつ繰り上がった。ポールポジションを獲得したのは、ポル・エスパルガロ。今季初、KTMからホンダに移籍して初めてのフロントロウ、そしてポールポジション獲得となった。そして、これがホンダにとっても今季初のポールポジション獲得であり、フロントロウ獲得であった。2番手はバニャイアで、4戦連続でフロントロウに並ぶ。3番手にはクアルタラロが入った。

 5番手はマルク・マルケス、バレンティーノ・ロッシ(ペトロナス・ヤマハSRT)は8番手で、3列目から決勝レースを迎えることになった。

2021年MotoGP第12戦イギリスGP ポル・エスパルガロ(レプソル・ホンダ・チーム)
2021年MotoGP第12戦イギリスGP ポル・エスパルガロ(レプソル・ホンダ・チーム)

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