テニス界の “虎党” レジェンド・沢松奈生子「95歳の祖母は今も毎日、星取表書いてます」

「推し」の近本ユニで阪神にエールを送った沢松奈生子

16年ぶりの悲願に向けてし烈な上位争いを繰り広げる阪神。その奮闘ぶりに興奮を抑えきれないのが、スポーツ界きっての虎党で知られる元テニスプレーヤーの沢松奈生子(48)だ。幼少期から〝虎一家〟で育ち、世界のトッププロになっても虎一筋。現在は東京在住ながら毎日放送「よんチャンTV」にレギュラー出演する沢松が、後半戦の戦い方、五輪効果、キーマンなど熱すぎる〝なおちゃんトーク〟をさく裂させた。

【沢松奈生子インタビュー(1)】

――出身は甲子園のおひざ元の兵庫・西宮だが、東京生活が長い

沢松 阪神・淡路大震災(1995年)の時に練習拠点がなくなって、嫌々東京に行ったんです。死ぬまで東京なんか住むもんかと思っていたんですけど、住めば都ですね。意外と東京もええやんって。東京から関西を見て、関西の良さが新たにわかるところもあります。

――タイガース熱の温度差を感じたりは

沢松 全然感じません。それこそ猛虎会って日本全国だし、現役時代にテニスの世界ツアーに出ますよね。そしたらニューヨーク猛虎会とかロンドン猛虎会とかあるんですよ(笑い)。今も85年のバース、掛布、岡田の3連発の話題で飲めるって言うてますもん。日本のみならず、世界各国にファンがいてます。

――球場に行く機会は

沢松 今年はないですけど、甲子園は番組の出演者たちと行ってましたし、東京では家族で行きますね。無理無理タイガースのユニホーム着せて連れて行ってます。

――関西の番組の仕事は居心地がいい

沢松 物事を考えるのは関西弁。東京で生活していると1回、関西弁を東京弁に変換して訳して話している感じ。バイリンガルです(笑い)。訳して話すと反応よく言葉が出ないので、関西の番組は自然体ですごく居心地がいい。東京ではシーンとしても関西ならドーンってなるし、面白いことのスイッチが独特なものがあります。先日、ロケに行かせてもらってすごく楽しかった。ロケは生放送と違って、10取ってもオンエアされるのは1か2。あとでカットされてもいいと思うからガーってしゃべれる(笑い)。ロケ大好きです。

――子供のころから阪神ファンだった

沢松 私のひいおばあちゃんが毎日弁当作って甲子園に行ってたんです。それが歳で行けなくなって、どうしても阪神戦が見たいって言って、貴重なテレビを買ったんです。東京からお客さんが家に来ても「あんたどこのファン?」って必ず聞いて「巨人」とでも言おうものなら、ご飯も出てこない(笑い)。それくらいの家でした。祖母は95歳なんですけど、今もカレンダーに毎日、阪神の星取表書いてます(笑い)。めちゃくちゃ英才教育されてますね。85年の優勝の時は奮えるくらい感動しました。

――前半戦は番組でも阪神の話題をよく取り上げた

沢松 テンション上がりますね。3月スタートの「よんチャンTV」も言うたら1年生じゃないですか。阪神も佐藤輝選手や中野選手が1年目のフレッシュマンなので、私らも頑張らな、と思いますよ。

☆さわまつ なおこ 1973年3月23日、兵庫県西宮市出身。テニスの名門家族で育ち、15歳で全日本選手権女子シングルスに優勝、全米オープンジュニアで8強、90年にWTA女子プロテニスツアーで初優勝する。91年に全仏OP、92年にウインブルドンに出場し、95年に全豪OPで8強。五輪にも2度出場した。98年に引退するまでWTAで4度の優勝、4大大会に34回連続出場。シングルス世界ランク最高14位、10年間にわたって30位以内をキープした。現在はテニス解説、スポーツコメンテーターの他、明るいキャラクターを生かして毎日放送「よんチャンTV」(毎週月曜~金曜、午後3時40分~午後7時)の隔週水曜日にレギュラー出演している。

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