働けて、くつろげて、楽しめる─。そんな多用途の一風変わった貸しスペースが8月、川崎・武蔵小杉の駅前ビルに誕生した。手掛けたのは、不動産大手の三井不動産グループ。タワーマンションが林立するエリアならではの需要を見込み、自宅とマンションの共用部に続く「第3の居場所」としての可能性を探る。
平日の夕刻。主婦の川崎恵子さん(55)と友人の女性(50)は、武蔵小杉駅徒歩1分のビル1階に入る「イエチカBASE(ベース)」を初めて訪れた。
2人は、すぐ目の前に立つタワマンに住んでいるという。「コロナ禍で使えない共用部もあるので、こういう場所はありがたい」と川崎さん。2人はドリンクバーを利用しながら、ソファ席でゆったりと歓談に興じた。
イエチカは23日、試験的にオープンした。約200平方メートルの空間を五つのゾーンに分け、計62席を配置。ウェブ会議にも参加できる12の完全個室のほか、カフェのようにくつろげたり、大画面で映画を鑑賞できたりするスペースを設けた。子ども連れ向けに、ボードゲームやお菓子も用意している。