初代タイガー “代名詞”の打撃技ローリングソバットにも生きた師匠ゴッチさんの教え

ローリングソバットの写真を指さし、解説してくれた初代タイガーマスク

8月15日に3回にわたり掲載した初代タイガーマスク(63=佐山聡)のインタビューが大好評だったことを受け、紹介しきれなかったインタビューを追加公開! 延長戦第1回のテーマは、強烈なインパクトを残したローリングソバットの極意と、それを支えたカール・ゴッチさんの教えだ。

【初代タイガーマスク・特別インタビュー延長戦(1)】

――長く愛用したという意味ではローリングソバットも欠かせません

初代虎 これは新日本にいる時、若手の時代からやっていました。実はタイガーステップも、若手の時代からやっていたんですけどね。こういうのもしょっちゅうやっていました。これもやはり実戦でできますね。

――フライングではないですが、空手などでも同じ動きがありますよね

初代虎 ベニー・ユキーデとかがやってましたね。あとは富山勝治さんとか。そういう人たちの〝真似〟でしょうね。

――それを飛び上がることでタイガーマスク風に昇華したというか

初代虎 そうでしょうね。ローリングというのは、横回転じゃないんですよ。縦回転なんです。ちょっと振り切ったら足が下から出てきます。ブリッジが僕は柔らかかったんで、足が上に上がるんですね。それでローリングソバットっていう言葉ができたんですね。

――イメージとしては回し蹴りではなく、蹴り上げているんですか

初代虎 そうです、そうです。一見回転していると思いますが、ちょっと動いて反っているだけなんです。横に見えますけど、縦蹴りですね。実戦です。こういうのも、ゴッチさんに教えてもらった柔軟性が生きました。「タイガーマスクとは何だ」と言われたらやはり「柔軟性」とかですね。ありがたい教えだなと思っています。

――ゴッチさんの教えが打撃に生きていたというのは意外です

初代虎 あまり打撃打撃するのはゴッチさんは嫌いだったけれども、プロレスの打撃では褒めてもらえましたね。基本的な〝キャッチ・アズ・キャッチ・キャン〟もありますけど、プロレスもゴッチさんは好きなんで、いろいろなトリッキーな技を教えてくれました。

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