女子も甲子園

 雨にたたられ続けた大会。4強を関西地区の学校が独占して、最後に残ったのは同じユニホームの兄弟校。見分ける手掛かりは左袖の「奈良」と「和歌山」だけ▲両チームが入り乱れてボールを追う競技ではないからゲームには支障がなさそうだが、ぱっと見ただけでは、どちらが攻撃中なのかおそらく判別できない。夏の甲子園、全国高校野球はきょう決勝戦、熱心なファンには文字通り“目の離せない”一戦になりそう▲ところで大会期間中の23日、高校野球史に新しい一歩が刻まれた。この日、甲子園で行われたのは第25回全国高等学校女子硬式野球選手権大会の決勝。神戸弘陵高が高知中央高を4-0で下して優勝を飾った▲1997年にわずか5チームで始まった大会は今年40校が参加。神戸弘陵高のエース、島野愛友利選手は中学時代、男子に交じってボーイズリーグの強豪チームに所属し、全国大会の胴上げ投手になった逸材▲ボールが硬くて危ない、顔に当たったら大変…そんな理屈が女子を野球から遠ざけてきた。でも、硬球が当たれば痛いのは男も女も同じ。「必然の一歩」にも思える女子の甲子園▲今年の全日本学童軟式野球に本県代表で出場した戸尾ファイターズのキャプテンは女子選手。いつか私も、と夢を膨らませているかもしれない。(智)

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