沖縄基地問題、共闘訴え 東京でシンポ 山城さんら登壇

 【東京】次期衆院選を控え、社民党など野党の連携を支援する識者団体「共同テーブル」が28日、発足記念シンポジウム「いのちの安全保障を考える」を千代田区の星陵会館で開いた。評論家、弁護士、大学教授らが登壇し、日本が抱える問題をそれぞれ訴えた。沖縄からは、沖縄平和運動センター議長の山城博治さんや辺野古県民投票の会元代表の元山仁士郎さんらが、名護市辺野古の新基地建設を巡る問題や先島諸島で進む自衛隊基地建設などの現状を報告した。

 山城さんは、政府が中国脅威論を強調し、先島諸島に自衛隊基地の建設を進めていることについて「沖縄が戦場になることへの理解を県民に迫っているありさまだ」と話した。その上で「県民は政府の無謀な戦争政策で一度ならず二度まで、玉砕を求められるのだろうか」と問い掛け、戦争の脅威にさらされている沖縄との共闘を訴えた。

 宜野湾市からオンラインで参加した元山さんは、沖縄防衛局が27日に新たな護岸工事に着手したことについて「県民投票で反対多数の民意が示されたが、新しい護岸が造られようとしている。悲しさと悔しさを覚える」とし、次期衆院選に向け新基地建設をやめさせる取り組みをしていくことを表明した。彫刻家の金城実さんはオンラインで「歴史の中で沖縄がどうかとみると、絶望的だ。歴史を繰り返さないためには、歴史から何を学ぶのかだ」と訴えた。

 シンポジウムではそのほか、発起人の評論家・佐高信氏が「オリンピックを止められないなら、戦争も止められないのではないか、というのが私の実感である」と指摘し、次期総選挙に向け「いのちの安全保障を問い直す野党をつくらないといけない」と強調した。非正規雇用や女性問題を取材してきた元朝日新聞記者で和光大名誉教授の竹信三恵子さんは「どのような属性でも経済的な自立ができないのであれば、公助が大前提である。生存権も守る社会にするためにロードマップを描ける政権がほしい」と訴えた。

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