茨城県日立市、市民サービス向上を デジタル化推進 新計画策定へ

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日立市の新たなデジタル化推進計画策定に向け開かれた市デジタル化推進委員会の初会合=同市役所

国が掲げるデジタル化推進を受け、茨城県日立市は今月、新たな「市デジタル化推進計画」(2022〜26年度)の策定に乗り出した。国が示す地方自治体が取り組むべき事項に加え、市独自の施策も盛り込み、市民サービスの向上などにつながるデジタル化を目指す。市は同推進計画を年度内に策定し、来年度から具体的な取り組みを進める方針だ。

国は昨年12月、「デジタル社会の実現に向けた改革の基本方針」を閣議決定、合わせて「自治体DX推進計画」を策定。今年5月にデジタル改革関連法を成立させ、9月にはデジタル庁が設置される。

こうした流れを踏まえ、市は現在の市情報化推進指針で取り組んできたデジタル化をさらに進めるため、新たな計画策定が必要と判断した。

市は新計画策定に当たり、大学教授、市内のIT系企業や各種団体の代表、大学生など18人で構成する市デジタル化推進委員会を設置。初会合が18日、市役所内で開かれ、オンライン参加の5人を含め全委員が出席した。委員長に茨城大名誉教授の米倉達広茨城工業高等専門学校長、副委員長に川島宏一筑波大教授をそれぞれ選出した。

初会合で小川春樹市長は「デジタル技術を活用した先進的な取り組みを目指し、新たな指針となる計画をつくってほしい」とあいさつ。米倉委員長は「人口減少や少子高齢化などの地域課題と正面から向き合い、議論していきたい」と述べた。

市が示した骨子によると、デジタル化推進体制を整えた上で、デジタル環境整備を図り、「市民サービスの向上」「業務効率化」「安全・安心の確保」の各面でデジタル化を推進する。

国はテレワークの環境整備や行政手続きのオンライン化、情報システムの標準化など8項目を推進すべき事項としており、市はこれに加え、Wi-Fi環境の整備やデータの有効活用、キャッシュレス化やオンライン相談の推進、高齢者の見守り、避難所の混雑状況の可視化なども取り込む方針を示した。

委員からは「市独自の部分にエネルギーを注ぐべき」「子育て世帯や若者世代へのサービスも必要」「日立らしさにこだわらず、必要とされる施策が重要」「認知症世帯への配慮や在宅診療のカバーも課題」などの意見が出された。川島副委員長は「市として固有の理念をしっかり議論すべき」と指摘した。

市は6月から7月にかけて、市民2000人を対象にアンケートを実施。約4割から回答があり、現在集計中。次回10月下旬までに結果をまとめ、これを踏まえた基本理念案を提示する考えだ。並行して各部署からの施策をとりまとめ、全国の事例も参考にしながら素案を作成する。