ハミルトン3番手「混乱した予選」を反省するメルセデス、ドライの決勝を願う/F1第12戦

 2021年F1ベルギーGPの土曜予選で、メルセデスのルイス・ハミルトンは3番手、バルテリ・ボッタスは8番手だった。ボッタスは、前戦ハンガリーGPでクラッシュの原因を作ったとして5グリッド降格のペナルティを受けるため、土曜に発表された暫定グリッドでは13番グリッドが割り当てられている。

 メルセデスは不安定な天候となった予選をスムーズに戦うことができず、Q2最初のランではユーズドのインターミディエイトでドライバーたちをコースに送り出した後、間違った選択であることに気付き、タイムを出す前に新品に交換するなど、多少の混乱がみられた。多数のタイヤセットを使って2台ともなんとかQ3に進出したものの、ポジションが決まる最後のアタックラップで、ハミルトンはマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)だけでなくジョージ・ラッセル(ウイリアムズ)にも敗れ、ボッタスはさらにマクラーレン、アストンマーティン、アルファタウリ・ホンダより下位の8番手に沈んだ。

2021年F1第12戦ベルギーGP 予選3番手のルイス・ハミルトン(メルセデス)

 トラックサイドエンジニアリングディレクターのアンドリュー・ショブリンは「我々の基準からすると、かなり混乱した予選セッションになった」と認めている。

「コンディションを正しく読み取ることができない場面があった。Q2ではもっとうまくリスクを管理できたはずだ。一時は、ダブルイエローあるいはイエローが一度出れば、2台ともQ2落ちを喫する状況だった」

「Q3にチャンスをつないだものの、スローラップでタイヤの温度が下がり過ぎてしまい、グリップを失った。多数のマシンが、我々と比較すると、ダウンフォースなど、ウエット寄りのセットアップにしているようだ。それでも我々のマシンは、セクター2でパフォーマンスが良かったし、同時に直線スピードも強力だ。予報を考慮すると、セットアップの決断に不満はない。だが、選ぶことが可能であれば、明日の決勝では、一部でもドライで走行できることを願う」

 チーム代表トト・ウォルフは「我々のマシンはレースコンディションで力を発揮する。ドライ寄りのセットアップを施してある」と語った。
「そのため、天候が今日と同じであれば、少し苦労するかもしれない。だが、そうでなければ、いいレースができるだろう」

■メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラワン・チーム
ルイス・ハミルトン
FP3 3番手(1分57秒996:インターミディエイトタイヤ/9周)
予選 3番手(Q1=3番手1分59秒218、Q2=2番手1分56秒229、Q3=3番手2分00秒099:インターミディエイトタイヤ)

 誰にとっても難しい一日だった。ポジティブさを保ち、集中し、冷静に乗り切ることを心がけた。

(ポールの)マックス(・フェルスタッペン)は強力なラップを走り、素晴らしかった。(2番手の)ジョージ(・ラッセル)も最高の仕事をしたね。

 僕の話をすると、最初のラップはとても良かったのだが、間に入れたスローラップでタイヤが冷えてしまった。だから最後のラップではもう少しいいタイムを出せる余地があったと思う。

 何事も経験だ。今日僕は全力を尽くした。明日、ポジションを上げることを目指すよ。

 明日は天気が回復してドライコンディションになることを願っている。その方がファンにとってもいいはずだしね。マシンによってウイングレベルが違うから、明日それがどうポジションに影響するのか見ていこう。

 僕たちは直線スピードとダウンフォースの間の正しいバランスを見つけるために努力してきた。今日のコンディションでは最適ではなかったかもしれないが、明日どれだけの効果を発揮するか確認しよう。いずれにしても、ベストを尽くして戦うよ。

2021年F1第12戦ベルギーGP ポールのマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)と3番手のルイス・ハミルトン(メルセデス)

■メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラワン・チーム
バルテリ・ボッタス
FP3 11番手(1分59秒808:インターミディエイトタイヤ/14周)
予選 8番手(Q1=6番手1分59秒870、Q2=3番手1分56秒295、Q3=3番手2分02秒502:インターミディエイトタイヤ)

 今日のコンディションは本当に難しかった。もちろん、もっといいリザルトを期待していた。

 全体的に悪くない予選で、トップ3に入るチャンスはあったと思っている。でも、最後のアタックラップの前のスローラップでトラフィックに遭ってしまい、ペースを落とさなければならず、その結果、タイヤが冷えてしまった。

 最後のラップでは、温度が下がってしまった影響で、最初からタイヤがロックし、マシンがとても不安定な状態だった。

 グリッドペナルティを受けるので、明日は楽なレースにはならないだろう。でも積極的に戦っていくよ。ウエットならたくさんのチャンスが生まれるだろう。ドライになった場合、僕たちのマシンは強さを発揮するはずだしね。大きなチャレンジになるだろうが、レースでは何が起きてもおかしくない。

2021年F1第12戦ベルギーGP 8月28日に32歳の誕生日を迎えたバルテリ・ボッタス(メルセデス)

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