東京パラリンピック第6日の29日、陸上男子1500メートル(車いすT52)の決勝が東京の国立競技場で行われ、沖縄市出身の上与那原寛和(50)=SMBC日興証券=が自己ベストを更新する3分44秒17で3位に入った。27日の400メートルに続き、今大会二つ目の銅メダルとなった。同一大会で県勢が複数のメダルを獲得したのは初めて。佐藤友祈(モリサワ)はパラリンピック新記録の3分29秒13で金を獲得し、400メートルに続き2冠を達成した。
予選なしの一発勝負となった決勝には7人が出場した。5レーンスタートの上与那原は序盤から3番手に付け、先頭集団でレースを展開した。400メートル付近から上位陣に後れを取ったが、中盤以降は後続を引き離しながら順位を維持し、3位でゴールした。
レース後にはスタンドにいるコーチらに右手でガッツポーズし「率直にうれしい」と頬を緩めた。佐藤に加え、開幕直前にクラス変更となった伊藤智也(バイエル薬品)と日本勢3人で表彰台を独占することが目標だったとし「いつになるか分からないけど、3人で表彰台に上がれるように準備したい」と語った。今大会については「コロナ禍で開催してくれたことを本当にうれしく思う。複雑ではあるが、感謝を伝えるためにも全力で頑張っていくという思いだった」と振り返った。
上与那原は4大会連続の出場。2008年の北京大会車いすフルマラソンで獲得した銀を合わせ、パラリンピックでのメダルは計三つとなった。【あわせて読みたい】