長崎・広島とハワイの高校生 オンライン交流 真珠湾攻撃の証言聞く

ニコルソンさんの証言をオンラインで聞く高校生ら=長崎市大黒町、長崎自治労会館

 旧日本軍による米ハワイ・真珠湾攻撃から12月で80年になることから、長崎と広島両被爆地とハワイの高校生ら計約40人が29日、オンラインの学習交流会を開き、6歳の時に真珠湾攻撃を経験したドリンダ・ニコルソンさん=ハワイ在住=の証言を聞いた。意見交換もあり、日米の若者は多角的な視野で歴史を学び、相互理解を深めた。
 高校生平和大使や高校生1万人署名活動実行委員会が3年前からハワイ・イオラニ高の学生と交流を続けており、オンライン開催は昨年に続き2回目。主会場の長崎市の長崎自治労会館では、来年3月に渡航予定の「ハワイ派遣高校生平和大使」ら11人が参加した。
 ニコルソンさんは、真珠湾そばの自宅にいたところ、接近する戦闘機や港側から立ち上る黒い煙を目撃し、両親らと山手のサトウキビ畑に避難した当時の体験を証言。「真珠湾だけではなく、広島や長崎など戦争で犠牲になるのは女性や子ども、市民」と強調した。
 引き続き参加者は5班に分かれて討議。班ごとに「私たちの使命と行動の宣言文」を作成し、「さまざまな国の人たちと交流し、多角的な視野を身に付ける」などと発表した。
 ハワイ派遣大使の一人、長崎県立長崎工業高3年の山下璃音(りおん)さん(18)は「加害、被害両面を見ることの大切さを学び、互いに共有し合うことで深い議論ができた。(ハワイ派遣では)実際に現地を見て、交流を通し原爆のことを伝えたい」と話した。

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