ブルーオリジン、ニューシェパード宇宙船を打ち上げ NASAの月面着陸センサーを実証実験

米民間宇宙企業ブルーオリジンは、ニューシェパード宇宙船の打ち上げミッション「NS-17」を実施しました。7月20日に行われた有人飛行「NS-16」ミッションから約1ヶ月ぶりの打ち上げとなりますが、今回は無人飛行で、民間企業やNASAの実験機器を搭載。ニューシェパード宇宙船は、アメリカ・西テキサスにある同社専用の発射場から打ち上げられました。その後対地高度約104kmまで到達し、地球へ帰還しました。無事に着陸と再回収にも成功したということです。このミッションは、同一機体8回目の打ち上げであり、2021年4回目の宇宙船の運用となりました。

【▲ 再帰還するニューシェパード宇宙船の機体部分。カプセル部分もこのあとパラシュートを開いて着陸に成功した(Credit: Blue Origin)】

ニューシェパード宇宙船に搭載されたペイロードは、18のミッションに及び、そのうちの11がNASAの協力によるものです。その1つとして機体外側に設置された「再突入・下降・着陸(DDL)センサー」の実証実験が行われました。このセンサーは、NASAが将来の月面探査の着陸時に高い正確さを維持して、着陸を行うために使用される予定です。ニューシェパードへの搭載は、2020年10月の打ち上げ時にも行われ、2回目となります。この時に得られたデータはNASAのデータサイトで公開され、NS-17ミッションで得られたデータも順次公開予定とのことです。

ブルーオリジンは、7月20日、同社の創業者であるジェフ・ベゾス氏ら4人がニューシェパード宇宙船に搭乗して宇宙旅行を行いました。このミッションは、民間企業による宇宙旅行の幕開けとして注目されました。

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Image Credit: Blue Origin
Source: Blue Origin/Space News
文/出口隼詩

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