F1第12戦ベルギーGP決勝トップ10ドライバーコメント(2)

 2021年F1第12戦ベルギーGPの決勝レースで優勝〜5位のドライバーが日曜日を振り返った。優勝〜5位のドライバーはマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)、ジョージ・ラッセル(ウイリアムズ)、ルイス・ハミルトン(メルセデス)、ダニエル・リカルド(マクラーレン)、セバスチャン・ベッテル(アストンマーティン)だ。

■アストンマーティン・コグニザント・フォーミュランワン・チーム
セバスチャン・ベッテル 決勝=5位

2021年F1第12戦ベルギーGP セバスチャン・ベッテル(アストンマーティン)

 尻すぼみに終わり、すべての人にもどかしさの残る一日だった。雨が降って寒い屋外で、レースを見るために1日中待ってくれていたファンにとっては、特にそうだったと思う。

 彼らが見にきたレースというエンタテインメントを提供できなかったことを残念に思う。雨は一向にやまず、コースに出ると、水煙がとてもひどくて視界が悪かった。

 FIAはかなり難しい判断を迫られた。簡単なことではなかったはずだが、安全を最優先しなければならない。みんなに好まれるような決断ではなかったかもしれないけれど、おそらく正しいものだっただろう。

(3周セーフティカーの後ろで走り、上位10人にハーフポイントが与えられたことについて聞かれ)ジョークだね。予選順位に応じた報酬が必要なら、予選にポイントがつくべきだ。

 今日の僕たちはいったい何をした? 僕には分からない。ポイントをもらうためには、レースの25パーセントを走る必要があったんじゃないの?

■マクラーレンF1チーム
ダニエル・リカルド 決勝=4位

2021年F1第12戦ベルギーGP ダニエル・リカルド(マクラーレン)

 クレイジーな一日だったし、クレイジーな状況だった。ありがたいことに、これほどの事態に陥ることはまれだ。こんな日もあると言うしかないね。

 ファンの人たち、そして僕たちのレースを見に来て、最後まで残ってくれた人たちに申し訳なく思う。彼らは最高だったよ。

 なんとかレースが行えるよう願っていたけれど、結局はだめだった。だけど、誰のせいでもない。今日はこういう事情、状況になってしまったというだけなんだ。

 この後の2週、レースが続く。そこで埋め合わせができるといいね。

 こういう状況だったことで、今回は予選結果がものをいうことになった。昨日良いポジションを獲得できてよかったよ。

■メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラワン・チーム
ルイス・ハミルトン 決勝=3位

2021年F1第12戦ベルギーGP ルイス・ハミルトン(メルセデス)

 まず何よりも、ファンの皆に本当に申し訳ないと思っている。天候はコントロールできないので、誰のせいでもないのだけれど。今日のファンは信じられないぐらい素晴らしかった。レースが行われる可能性を信じて最後まで待ち続け、エネルギーを保ち、素晴らしい雰囲気を作り出してくれた。それなのに彼らはレースを見る機会を奪われた。

 僕は雨のレースが好きだけど、今日はそういうレベルではなかった。前のマシンが見えないし、アクアプレーニングも起きて、すごくトリッキーな状態だったんだ。

 もちろんレースをしたかったし、このサーキットが大好きだから、今日のことは残念だ。これほど激しい雨にならなければ、素晴らしいレースになったと思うからね。でも残念ながら雨は全然やまなかった。

(レース後の会見で語り)彼ら(F1)は最後に僕らをコースに送り出した時、コースコンディションは少しも良くなっていないことを知っていた。セーフティカー先導のもとで、レースで最低限必要な2周を走らせるためだけに僕らをコースに出したんだ。ファンは今日の分の(チケット)料金を返してもらえるといいね。

 彼らはここまで来て宿泊するために大金を使っている。なのにレースを見ることができなかった。

 ファンは料金を返金してもらうべきだと思う。僕が一番気にかけているのはそこなんだ。2周したことでそれができなくなるのかとか、そのへんは分からないけれど、それは僕らが望むことではないはずだ。僕たちのスポーツはもっと優れた価値観を持っている。

(2周走ったことに関してSky Sportsにコメントし)すべてお金の問題だ。あれは実際に、レースをスタートするための2周だった。すべてお金のためのシナリオだよ。このスポーツは今日、ひどい選択をしたと思う。

(SNSに投稿し)今日のことは茶番だった。レースを見るために大金を払ったファンが損をしたんだ。天候はどうすることもできないが、現状を知るための高機能な機器があって、雨がやみそうもないことは明らかだった。

(最後に)僕たちがコースに送り出された理由はひとつ。セーフティカー先導下で2周走ることだ。そこではポジションを得ることも失うこともない。ファンを楽しませることもできない。それはレースではないよ。

 ドライバーを危険にさらすことなく、ただ中止にすべきだった。そして何より大事なのは、ファンに返金することだ。ファンこそがこのスポーツの中心をなす存在なんだ。

■ウイリアムズ・レーシング
ジョージ・ラッセル 決勝=2位

2021年F1第12戦ベルギーGP ジョージ・ラッセル(ウイリアムズ)が2位でF1初表彰台

 コース上は信じられないほど難しいコンディションだった。僕は2番手で、前にはたった1台しかいなかったのに、それでも前を走るマックス(・フェルスタッペン)が時々見えないことがあった。

 レースができなかったことを、見に来てくれた人たち、そして中継を見ていてくれた世界中の人たちにとても申し訳なく思う。ただ、安全がなにより優先されなければいけないんだ。

 このようなかたちでレースが終わるのは自分のキャリアでも初めてだったから、ちょっと奇妙な気分ではあるけれど、表彰台は表彰台だ。どんな状況であれ、僕たちが成し遂げたことだ。昨日チームとして行った素晴らしい仕事が報われたんだ。

 もちろん、仮に今日のレースが予定通り進んでいたとしたら、僕たちがこのポジションをキープするのはかなり難しかったと思う。それでも、チャンスがあれば手に入れるべきだ。

 ウイリアムズでの初ポイントを、僕は前戦ハンガリーGPで獲得したばかりだった。そしてここベルギーGPでは表彰台に立つことができた! これは、過去3年間にわたってチームの全員が積み重ねてきた大きな努力に対する報酬だ。

■レッドブル・レーシング・ホンダ
マックス・フェルスタッペン 決勝=1位

2021年F1第12戦ベルギーGP 優勝したマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)

 優勝するのはいつだってうれしいものだし、ポイントは重要だ。ただ、今日のレースは誰ひとり望まない形になった。ホンダとの50戦目のレースだったからなおさら残念だ。

 今思えば、昨日ポールポジションを獲得できたことが大きかった。このコースが大好きだから、今日はレースとしてのラップを走れなくて本当に残念だけど、今日のコンディションでは不可能だった。

 15時半ごろのコンディションは、リスタートを試みた時より少しよかったと思う。ただ、視界はとても悪くかったので、今日レースができなかった理由は理解できるよ。僕は先頭を走っていたから、セーフティカーの後ろではあっても、他の人たちよりかなり視界は良かった。でも後ろのドライバーたちは、何ひとつ見えなかったと思う。そんな状態で誰かがオー・ルージュで飛び出してから、弾かれてコースに戻ってくるようなことがあったら、高速でTボーンクラッシュが起きたかもしれない。それは避けたかった。

 今日の午後はずっと雨が降り続けていたために、グリップがとても低く、それが一向に改善されなかった。

 今日サーキットに来て、雨と風のなか、寒い思いをしながら一日中残ってくれたファンの人たちを称えたい。こんなコンディションでじっと座って待っているのは本当に大変だっただろう。彼らに心から感謝する。彼らこそが今日の真の勝者だ。

 チャンピオンシップのリードを取り戻すために、引き続き努力していく。僕たちには優れたマシンがある。シーズンは長いから、これからも確実にマシンから最大のパフォーマンスを引き出していく必要がある。

(会見で語り)もちろんこれも優勝だけど、こういう勝ち方は望んでいない。ただ、2戦にわたって少ししかポイントを取れなかったから、この結果は必要だった。

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