衆院選 加藤氏が不出馬正式表明 長崎2区自民 宅島県議、後任に意欲

次期衆院選への不出馬を正式に表明する加藤氏=島原市下川尻町の事務所

 自民党衆院議員の加藤寛治氏(75)=長崎2区、3期目=は30日、島原市内で記者会見し、次期衆院選に立候補しないと正式に表明した。県連が予定する後任候補の公募に対し、長男で秘書の竜祥氏(41)が応じるとみられ、党県連政調会長の宅島寿一県議(51)=雲仙市区、3期目=も意欲を示している。
 会見した加藤氏は、健康上の理由で出馬を見送ったと改めて説明。7月末の事務所開きで4選に意欲を示していたが、今月中旬に健康診断を受け、その結果を踏まえて判断したという。「ドクターストップではないが、当選しても国会活動ができず有権者に迷惑が掛かると考えた」と述べた。
 衆院議員在職9年で農林水産副大臣などを歴任。農業基盤整備や地域高規格道路「島原道路」建設などの政治活動を振り返り「国会議員としてやり残したことは多いが、年齢的なものもあり、政界を引退する」と話した。自身の後援会が後継に竜祥氏を推していることについては「後任(候補)は県連で審議し党本部で決めることだが、県連会長には報告した」。世襲に否定的な声に対しては「真摯(しんし)に受け止めたい」とした。
 一方、2区内の党県議団10人は30日、協議し、公募への意見を一人ずつ確認した。複数の関係者によると、うち9人が「選挙まで時間がない中で、勝つためには地盤がしっかりしている竜祥氏で継続すべきだ」などと意見が一致。唯一、宅島氏が「公募になれば手を挙げたい」と述べた。1日は2区内の地域支部長らが会議を開く。
 2区では、立憲民主党の松平浩一氏(46)=比例北陸信越、1期目=が立候補を予定している。

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