斎藤、世界を知る

個人種目終えて・東京パラリンピック

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〈男子200メートル個人メドレー(視覚障害SM13)〉予選全体9位だった斎藤元希(国士大PST・大石田町出身)の平泳ぎ。決勝進出を逃したが日本新の2分18秒24をマークした

 進化を続ける22歳にとって3年後に向けた収穫と課題が見えた大会だ。競泳男子の視覚障害区分で、斎藤元希(国士大PST・大石田町出身)は、この日の200メートル個人メドレーを含めて個人4種目に出場し、自身の日本記録を三つも塗り替えた。一方で決勝進出は100メートル背泳ぎのみ。海外勢との力の差も痛感し、「世界で戦う力を付け、複数メダルの獲得という目標を成し遂げる」と決意を新たにした。

 200メートル個人メドレーは、得意の背泳ぎもさることながら苦手な平泳ぎで粘り、日本記録を0秒85更新する2分18秒24でゴール。それでも予選全体9位で決勝進出を逃し、「疲れで最後の自由形はピッチがなかなか上がらなかった」と残念がった。

 憧れの夢舞台に立ち、何よりの収穫は「世界との距離」を肌で感じたことだろう。国際大会の経験はそう多くないだけに、「海外選手やメダリストの速さを間近で感じたことは大きい」とうなずく。

 一方、タフなレース続きで肉体的、精神的な疲労がパフォーマンスに影響したことも事実だ。「生活サイクルがしんどく、疲れて体調を崩すこともあった」。常にコンディションを維持し、複数種目で表彰台に立つ海外選手もいるからこそ、「長丁場を乗り切るためのトレーニングが必要と感じた」と振り返る。

 今大会は突っ込みがちな前半を抑えてレースを展開する冷静さがさえた。自己ベストの更新も相次ぎ、「ウエートトレーニングの成果が出た」と手応えもつかんだ。残すは視覚障害の選手で組む混合400メートルリレーで、「レースが続く仲間たちにエールを込めて泳ぎたい」と意気込んだ。