東京パラ 5人制サッカー(視覚障害) 佐々木ロベルト泉(茨城・牛久在住) 母国と対戦「幸せ」

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5人制サッカー1次リーグ ブラジル戦で攻め込む佐々木ロベルト泉(左)=青海アーバンスポーツパーク

■懸命にボール追う
ゴールキーパー(GK)以外アイマスクを着けて音が出るボールを使う5人制サッカー(視覚障害)。ブラジル出身の佐々木ロベルト泉(43)=茨城県牛久市在住=が日本代表として、メダル獲得に向かって懸命に走っている。30日は1次リーグの2試合目があり、4連覇中の母国と対戦した。0-4で敗れたが、「幸せな気持ちだった。試合が終わればみんな友達」と試合終了後には、相手選手たちと満足そうに言葉を交わした。

サンパウロ生まれの日系3世。父親は16歳で他界し、家計を助けるため、18歳で単身来日した。県内の工場などで働いていたが、28歳だった2006年、通勤中に事故に遭い、両目を失明した。

競技を始めたのは09年の筑波技術大入学後。13年に日本に帰化して代表入りし、世界の舞台を踏んできた。10代から40代までの幅広いメンバーの中で、2番目に年齢が高く、豊富な経験を買われ、明るい性格でムードメーカーとしてもチームを引っ張る。

試合前、ピッチ上で行われたメンバー発表で自分の名前が呼ばれると、「お願いします」と誰よりも大きな声であいさつした。試合が始まると、GKやコーチらの指示で情報を取り、ボールを懸命に追った。ただ、相手は経験もあり、技術力が高く、「一歩だけでも間違えるとやられてしまった」。前半は0-1と粘ったが、後半は立て続けに3点を失い、初黒星を喫した。

これまで県内の小学校などで、5人制(ブラインド)サッカー教室を開き、競技の楽しさと共に「何があっても最後まで諦めない大切さ」を訴えてきた。東京パラリンピック大会を通じて、障害者スポーツへの関心は高まるだろう。これを機会にさらに伝えたいことがある。「全盲だから何もできないわけじゃないし、かわいそうとか思ってほしくない。諦めなければ必ずいいことがある」。