独立リーグからロッテ移籍 元広島・小窪のNPB復帰を支えたカープレジェンドの言葉

ロッテへの移籍が決定した小窪

ロッテへの移籍が決定した小窪哲也内野手(36=火の国サラマンダーズ)が31日、オンラインで会見を行った。

小窪は13年間在籍した広島を昨オフに退団。NPBでのプレーを模索する中で、今年6月に九州アジアリーグの熊本球団「火の国サラマンダーズ」に入団した。18試合に出場して打率4割2分1厘、1本塁打、12打点の好成績でチームを引っ張った。そして諦めなかった夢をかなえた。

新天地での活躍へ「一番は千葉ロッテの勝利に貢献したい。入って終わりではない。ここからやることがたくさんある。いけるところまで戦い抜きたい」と気持ちを高ぶらせた。

「正直、何回も心が折れそうになった時はあった」。夢中でプレーしている時にはなかったが、グラウンドから離れた、ふとした瞬間に何度も不安にかられたという。そのたびに周囲の支え、人との出会いもあり踏ん張ってきた。

火の国サラマンダーズ入団直後には、次のように大切にしている言葉を口にしていた。「いい時には誰も見ていない。人間、悪くなったり、しんどくなったり、いろんな変化があると思うけど、そういう時こそ人は見ているよ」。広島のレジェンドでもある新井貴浩氏(現・野球評論家)に現役時代にかけてもらった言葉だ。

新井氏は現役最終年の2018年にケガもあり二軍スタートとなっていた。そんな逆境の中でも変わらず懸命に取り組んでいた。その姿からは大いに刺激を受けたという。独立リーグの慣れない環境の中で最初は戸惑いもなかったわけではない。それでも苦しい時こそ前を向いて進み夢をつかんだ。

熊本の球団、そしてファンに向けて「(球団の)神田社長に声をかけてもらい、監督、スタッフ、選手に温かく迎え入れていただいたことで一途に野球をすることができました。熊本の皆さんが快く温かい声援を送ってくれて、野球を一生懸命取り組むことができました」と感謝を口にした小窪。

熊本で得た財産を生かし、新たなスタートを切る。

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