9月1日は「防災の日」!災害時のペットとの避難について真剣に考えてみよう

災害時はペットとの同行避難が原則

甚大な被害があった2011年の東日本大震災では、飼い主とはぐれてしまったペットが多くいたため、「災害時におけるペットの救護対策ガイドライン」を環境省が作成しています。

その後2018年には「人とペットの災害対策ガイドライン」へと変更になり、原則として、災害時にはペットは飼い主と「同行避難」するように示されました。

そのガイドラインなかでは、「ペットの安全は自助努力によって飼い主が守るように」とも示されています。避難所へ行く場合、在宅で避難する際も、ペットの安全を確保できるよう努め、ペットの健康や飼育マナーを守るようにとも書かれています。

災害時にペットの安全を守るのは飼い主の大切な役目です。避難する際は自治体の指示に従ってペットと共に速やかに避難しましょう。

ペットとの避難どうする?災害時に慌てないために今から準備しておくこと

大きな災害が起きると、飼い主さんもパニックになることでしょう。ペットにも飼い主さんの心理的不安が伝わって不安になっています。災害時に慌てることのないよう、今から準備しておきましょう。

ペット用の避難袋を用意しておく

避難所では、人用の食料や水の供給はありますが、ペットフードなどの支給はありません。ペットの飼育に必要なものは飼い主さんが準備しておく必要があります

  • ペットフードや飲み水(少なくとも1週間分)
  • ペットシーツなどの排泄物の処理用品
  • 予備の首輪
  • ワクチン接種証明書
  • 食器
  • キャリーバッグ
  • 飼い主さんの緊急連絡先やかかりつけの獣医さんの情報

そのほか、ペットの好きなオモチャや、タオル、古新聞やガムテームなども用意しておくと便利です。これらをひとつ、多ければ2つに分けて準備しておき、災害時にはいつでも持って避難できるようにしておきましょう。

地域の避難所にペットが入れるかどうかを確認する

地域の避難所にペットが入れるかどうかを確認しておきましょう。盲導犬や介助犬とは異なり、ペットとの「同伴避難」を認めている自治体は少ないようです。仮にペット可となっている避難所であっても、人のエリアにはペットが入れないようになっているなど制限していることがあります。

小型犬や猫など、キャリーバッグに入る場合は避難所に入れるのか、大型犬の場合は一緒に避難できるのかを、事前に自治体へ確認しておく必要があるでしょう。

万一、避難所のなかにペットが入れない場合はどうするかを、家族で話し合っておく必要もあります。二次被害の心配がない場合は、自宅にペットを残して世話をする、車のなかで避難生活を送るのも選択肢のひとつです。

いつどこで災害が起こってもおかしくはありません。ペットを飼っている方はもしものとき避難所に入れるか、どうやって避難生活を送るかを確認しておきましょう。

迷子なったときの対策をしておく

災害時にペットが迷子になったときの対策をしておきましょう。首輪に飼い主さんの連絡先を記した迷子札や犬の登録鑑札、ワクチンの注射札を日頃から装着しておくと良いでしょう。

また、体内に埋め込むマイクロチップもおすすめです。マイクロチップがあれば、万一ペットが迷子になってもスムーズに捜索できます。

車の中で避難する場合は熱中症に注意

災害時、自治体の避難所には入れなかった飼い主さんや、自宅での避難生活が難しい場合、車の中で避難生活を送る選択をしなければならないケースもあるでしょう。

暑い季節の場合、熱中症にならないよう十分に気をつけ、窓を開けて風を通したり水分を多めに用意したりするなどしてください。

特に犬は、人間のように汗をかいて体温を調整することができません。ハァハァと激しく口呼吸することによって体温を下げようとしますが、気温や湿度が高ければ体温が下がりません。車を日陰に停める、体に水をかけて冷やしてあげるなどして、熱中症にならないよう十分注意しましょう。

災害が起きてしまったら

もし災害が起きてしまったら、まわりの状況を確認して落ち着いて行動するようにしてください。

在宅時に被災した場合

事前に準備したおいたペット用の避難袋と、飼い主さん自身の持ちだし品を準備しましょう。小型犬や猫はキャリーバッグに入れ、大型犬は首輪またはハーネスにリードを付けて自治体からの避難指示を待ち、スマートフォンやテレビなどから情報を収集してください。避難指示が出たときや、自宅にいると危険な場合は速やかにペットと共に避難しましょう。

不在時に被災した場合

不在時に被災した場合、落ち着いて状況を確認し、なるべく早く自宅へ戻りましょう。自宅へ戻ったら、在宅時と同様に避難の準備をしてください。ペットは飼い主さん不在時に起きた災害でパニックに陥っている可能性があります。声をかけて抱いてあげるなど、落ち着きを取り戻すまでそばにいてあげると安心します。

また、日頃からご近所にいるペットの飼い主さん同士との交流を深めておくと良いでしょう。避難所の情報や支援状況など、ペットの飼い主さん同士だからこそわかる悩みを共有できます。

まとめ

地震や局地的な豪雨など、災害はいつ起きてもおかしくありません。万一に備えて、ペット用の避難袋を用意したり、地域の避難所にペットが入れるかどうかを確認したりしておくと安心です。万一、災害が起こっても慌てず、ペットと同行避難を原則に冷静に行動しましょう。

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