「楽天経済圏」とは?“最新版”ポイントを増やすコツ

楽天のポイントを活用できるサービス群は「楽天経済圏」と呼ばれ、楽天の提供する銀行やクレジットカード、携帯電話、インターネット通信、証券等様々なサービスを利用することで、SPU(スーパーポイントアッププログラム)という圧倒的にポイントが貯まる仕組みが提供されます。非常にお得なポイントプログラムですが、この1年で楽天経済圏の改悪が縦続いており、「このまま楽天経済圏を利用するかどうか悩む」という声も聞こえてきます。

一方でソフトバンクグループ傘下のZホールディングスの金融サービスやポイントプログラムも「PayPay経済圏」とも呼ばれ注目を集めています。

圧倒的なポイントの仕組み持つ楽天経済圏か、新た動きをみせるPayPay経済圏か、どちらを使うべきなのか徹底比較していきたいと思います。今回は「楽天経済圏」の解説です。

第1回 「楽天経済圏」とは?“最新版”ポイントを増やすコツ
第2回 「PayPay経済圏」を徹底解説!ポイントを倍増させるには?
第3回 楽天経済圏とPayPay経済圏


楽天経済圏の最新動向は?

まず、それぞれのサービスの全体感から捉えていきたいと思います。前提条件の違う2つの経済圏を比較するのは非常に複雑なため、全体感を以下のようにまとめます。

・ポイントプログラムについて
・キャンペーンやイベント
・提供サービス(通信サービス、銀行、クレジットカード、モール)

ポイントプログラムについて

楽天経済圏のポイントプログラムはSPU(スーパーポイントアッププログラム)と呼ばれ様々な楽天のサービスを利用するごとに、楽天市場で購入する歳のポイント付与倍率が上がっていきます。

一方PayPay経済圏も「PayPayステップ」というポイントアッププログラムがあるので、まずこの2つから比較していきたいと思います。

SPUのポイント付与条件は、楽天の事情によってつど変更されていきます。付与されるポイントが変わっているのに「知らなかった……」ということもあるので注意が必要です。定期的にSPUのサイトをチェックするとよいでしょう。

2021年8月22日現在、SPUは楽天で市場の買い物のポイントが最大15.5倍になります。楽天会員になっていれば、楽天での買い物は購入代金の1%が付与されます。この基本的なポイント付与条件をベースに考えて、各サービスを利用するごとにポイント付与率があがっていきます。

各サービスによる上昇ポイント

楽天の各サービス利用により上昇するポイント倍率は以下の通り

※楽天SPUのHPをもとに著者が作成

楽天カードの利用で、付与ポイントが+2倍になることや、楽天銀行と楽天カードを連携することで+1倍、楽天証券利用で+1倍、楽天市場アプリからの買い物で+0.5倍など、特にサービス利用に費用がかからないものでも、+4〜5倍は簡単に達成ができます。

また、楽天モバイルの利用で+1倍、楽天ひかりの利用で+1倍など有料ではあるが楽天の優良サービスを利用することでもポイントが上がっていきます。楽天は、有料のサービスでも他社のサービスに比べてコスパが高いサービスも多いので、このあたりを利用していくと、+7倍〜9倍までは無理なく上げることが出来るので、ポイントが非常に溜まりやすくお得なポイントプログラムであることは間違いないでしょう。

改悪が続く楽天経済圏

一方で、この1年の間でも様々なサービスがSPUの対象からはずれ、改悪をしています。例えば、楽天ゴールドカードを利用することで+2倍になるサービスがありましたが、2021年3月いっぱいでポイントアップが終了しました。また、楽天ペイというQRにコード決済サービスも、引き落としの支払い方法を楽天カードであれば100円利用につき2ポイント付与されていたものが、2021年2月より1ポイントに減っています。

楽天TVも2021年4月より+1倍でしたがSPU対象外になり、楽天でんきも加入すれば+0.5倍の対象でしたが2021年6月よりSPU対象外になりました。

楽天カードも、公共料金の支払の場合100円につき1ポイントが付与されていましたが、6月以降500円の支払いにつき1ポイント付与に減りました。

また、楽天Pashaも「トクダネ」で合計100ポイント以上獲得すると、楽天市場のお買い物でポイントが+0.5倍付与されていたが、2021年8月以降は、合計300ポイント以上獲得し、かつ「きょうのレシートキャンペーン」にて10枚以上レシートが審査通過した場合にポイント+0.5倍になるなど付与条件が厳しくなりました。

SPUとは別に、楽天は楽天銀行を中心にしたハッピープログラムという優遇プログラムがあります。こちらも、購入した投資信託の残高に応じてポイントが付与されるのですが、一部の商品が対象外になるなど改悪が行われました。詳しくは最新版「楽天証券とSBI証券」iDeCoやつみたてNISAを買うならどちらがオススメ?を見てみてください。

そして、キャンペーンも改悪が続いています。キャンペーン期間中に楽天市場に出店している複数のお店で買い回りをするとポイントがアップしていく「お買い物マラソン」もポイント獲得上限が、2021年2月より1万ポイントから7,000ポイントに減っています。買い回りで最大10店舗を回った場合倍率上限は10倍まで上がりますが、以前は合計11万円までの買い物までポイント還元対象でしたが、改悪した結果7.7万円の買い物までがポイントの還元対象に減ったことになります。

一方で、新たにSPUに加わったサービスもあります。

ビットコインなどの暗号資産を購入するこができる楽天Walletは、30,000円以上の暗号資産を購入した月に限り+0.5倍のポイントが付与されることになりました。

楽天は、サービスが始まった際はプロモーションの一環としてポイント付与の条件をつけて事業を立ち上げ、事業が軌道に乗ればポイント付与を継続するが、軌道に乗らない場合は付与条件の変更していることがわかります。変更は随時行われ、今後も新たなサービスにはポイントを付与し、効率の合わない場合は取り下げていくと考えた方が良いでしょう。

楽天ポイントアップのイベントは?

楽天は「0と5のつく日」にポイントが+2%になり、また、定期的に開催される「お買い物マラソン」によってポイントが倍増していきます。SPUと併用できるので、0と5の付く日と、お買い物マラソン、SPUの組み合わせで20倍以上のポイントバックを受けることもできます。

0と5のつく日

楽天市場で、0と5の付く日(5日10日15日20日25日30日)に楽天カードを利用して買い物をするとポイントが+2%増します。ポイント5倍という表現をされますが、楽天会員で1%、楽天カード利用で2%が元々とついているので、+2%されて合計5%という計算になります。エントリーが必要になるので事前に登録が必要になります。

勝ったら倍キャンペーン

楽天がスポンサードしている楽天イーグルスや、ヴィッセル神戸、FCバルセロナが勝利すると楽天市場で買い物をする際の付与ポイントが増えていきます。キャンペーンにはエントリーが必要になります。1チーム勝利で2倍、2チーム勝利で3倍、3チーム勝利で4倍になります。獲得上限は1,000ポイントで、1注文1,000円以上の購入が対象になります。

お買い物マラソン(例年1,2、4、5、7、8、10、11月実施)

ショップ買い回りによって、1店舗あたり1,000円以上の商品を買うとポイントが倍増していきます。3店舗で3倍、10店舗で最大10倍になります。1、2店舗目では安い買い物をして、ポイント倍率を上げてから高い買い物をする方がいますが、最初のほうに買った商品も最終的なポイント倍増の対象になるので、購入する順番で損得はおこりません。また、0と5の付く日との併用もできるのでさらなるポイント倍増を狙えます。

楽天スーパーセール(例年3月6月9月12月実施)

楽天スーパーセールは、年に4回行われています。特定の商品が半額以下になるなど、色々な商品がセール価格になります。基本的にはお買い物マラソンと同様に買い回りによってポイント倍増していきますが、目玉商品などセール対象商品が多くなり、店舗も独自のクーポンやポイント倍増の仕掛けをつけるためお得度合いが増します。

ブラックフライデー(11月後半)

アメリカの祝日(感謝祭11月第4木曜日)の翌日の金曜日は、アメリカ最大規模のセールの初日となり「ブラックフライデー」と呼ばれます。楽天市場のブラックフライデーは買えば買うほどポイントアップするイベントなので、お買い物マラソンと同様な部分がありますが年に1度の大掛かりなイベントとして目玉商品やクーポンなども用意されます。


楽天経済圏のほうが、多様なポイントアップイベントが用意されているので、先のSPUと組み合わせることでポイント還元を最大化できるでしょう。一方、PayPay経済圏も「日曜日は5倍」など頻度多くポイントアップの機会が得られるのでストックできないようなものを購入する場合は重宝できるかもしれません。

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