小野賢章◆「つる公は、チャラいところがいいよね」 江口拓也◆「賢章くんはテストと本番でアプローチを変えるんです」

ショートアニメ「あはれ!名作くん」(NHK Eテレ、以下「名作くん」)は、お笑い芸人として活躍するなすなかにしの那須晃行(松田名作役)と中西茂樹(スウィーツ役)、うしろシティの金子学(むすび役)、阿諏訪泰義(ノキオ役)のほか、声優の小野賢章(ボルト役)、江口拓也(つる公役)、花江夏樹(春雨知恵熱役)らがメインキャストを務め、現在第6期を放送している人気シリーズだ。

そんな本作のイベント(7月31日開催の「あはれ!名作くん イベント’21」)当日、小野と江口を直撃取材! 小野は2016年スタートの第1期から、江口は18年スタートの第3期から本作に参加しているが、芸人との収録で刺激を受けていることや、本作の魅力など、たっぷり語ってもらった。

――お二人は、「名作くん」のどんなところに面白さを感じていますか?

小野 「やっぱり、芸人さんが作る雰囲気かな?」

江口 「うん。このアニメは、プレスコ(先に収録した音声に合わせて絵を作る方法)で録っているので、ある程度は僕らのテンポで掛け合いができるんですが、それがとても独特なんです。何というか…お笑いのテンポであり、間合いなんですよ。この感覚が自分になじむまでは、正直大変でしたね」

――それはもう、数をこなすしかないという感じでしたか?

江口 「そうですね。何度かやっていくと正解のパターンの緩急や、笑ってもらうための“間”みたいなものがつかめるようになってくるんです。それに、監督から『そこはもう少し早口で』とディレクションを受けたところを後日オンエアで確認して、“なるほど。確かにこっちの方が面白いな”と思うこともある。そうして、いろんなことを繰り返すうちにだんだんとなじんでいきました」

小野 「僕はどうだったかなぁ…。僕がレギュラーで参加することになった時は、レギュラーの5人のうち、僕以外の4人が全員芸人さんだったので、その場の雰囲気は皆さんが作ってくれて、僕はそこに飛び込んでいくような感じでした。僕は元々お笑いが好きだったので、“この空気感の中で楽しくやれたら正解なんだろう”という感覚を頼りにしていましたね。で、面白い笑いに関しては皆さんから学び、技を盗み(笑)、声優の技術的な部分では、僕が前に立っていました」

――第1期の頃の小野さんは、特に兼役が多かったですもんね。

小野 「そうですね。ただ、作品自体が自由な世界観なので、細かな役作りやボルトとの差別化みたいなところは考えていません。回によっても雰囲気ってかなり違うし、真剣な回もあればとんでもないギャグ回もあるので。だから、演じる際は“変なやつ”を意識することの方が大事。『名作くん』で個性的なキャラクターをたくさん演じてきたおかげで、演技の幅がすごく広がりました。いろいろ試せるのも楽しいです」

江口 「確かに、すごく挑戦できる作品だよね。“怒られるかな?”と思うくらいで普段やらないことも、“声、聞こえる?”と声優なら心配になってしまうことも、『名作くん』なら“とりあえずやってみるか!”と、試せる。それもこの作品らしいところであり、面白いところですね」

――では、お互いの役の好きなところを教えてください。

小野 「つる公は、チャラいところがいいよね。言葉遣いも今どきだから、つる公から最近のはやりを学んでいます」

江口 「この現場だけなんですけど、たまに『アドリブで』と書いてある地獄のような台本があるんですよ(笑)。そういう時にすぐ対応するために、『若者言葉 はやり』で検索してストックしてあるくらいです。で、ボルトは…喉がちぎれるくらい叫ぶよね」

小野 「ははっ!」

江口 「最初に役作りをした時にこの演技を生み出した賢章くん、“すごいな!”って思いました。僕ならしんどいから絶対に嫌ですもん!(笑)。しかも、賢章くんはテストと本番でアプローチを変えるんです。変幻自在なのに、どれもボルト。“同じことは二度としない!”という強い意志を感じます」

小野 「ボルトはぶっ飛んでいるところが魅力だし、僕自身、ボルトのそういう飛び道具感がすごく好きなんです。だから、いろいろと試したくなるんですよね。面白いものを作りたいという思いもありますし」

江口 「なるほどね!」

――お二人の「名作くん」への愛が伝わってきます。ちなみに、これまでの中で特に印象に残っている好きな回はありますか?

小野 「そう言われたら、『闇の名作マージャン』(20年放送の183話)じゃない?」

江口 「あぁ〜、監督が“やった”回ね(笑)」

――花江夏樹さんのYouTubeチャンネルでやっている、花江さんと小野さん、江口さんが参加している人気企画「闇のゲーム」のパロディーですよね。あれは、普段と同じく、台本を読んで初めて知ったんですか?

小野 「そうですよ。読んで、“『名作くん』やるねぇ”って思いました(笑)」

江口 「ニヤニヤしながら現場に入ったら、監督もニヤニヤしてたからね(笑)」

――こういう回があるのも、「名作くん」らしいところですね。ところで、そもそも「闇のゲーム」はどんなきっかけで生まれたのでしょう?

江口 「どうだっけ?」

小野 「大きな声で何かをやり続けるのって面白いじゃないですか? そんな感じで、『UNOをやってみたらどうなるだろうね?』という話になったのがきっかけだったと思います。『「遊☆戯☆王」っぽくカードゲームをしよう』みたいな。その話をしていた時に、たまたまいたのが僕と拓也くんと、花江くんの3人だったんですよ。で、やってみたという…」

江口 「そうだった。カメラ自体は結構長時間回しているから、僕らはただただ全力で取り組んでいます。で、あとは編集をお任せするだけです」

――「名作くん」はもちろんですが、そちらの新作も楽しみにしています。では最後に、「名作くん」のメインキャスト全員でやってみたいことを教えてください。

小野 「こういうご時世でなければ、ロケをしたいよね。キャンプとか」

江口 「うわぁ、楽しそう。いいっすねぇ! キャンプ、行きたいんだよ」

小野 「『名作くん』チームの中には、キャンプが好きな阿諏訪さんがいらっしゃいますし」

江口 「すごくいいじゃん。本当に行きたいなぁ。2泊3日で! 2泊3日で!」

小野 「じゃあ、最低2泊で(笑)。ちゃんと時間を取って行きたいね」

江口 「ぜひ実現させよう!」

【プロフィール】

小野賢章(おの けんしょう)
10月5日、福岡県生まれ。天秤座。A型。アニメ「NIGHT HEAD 2041」(フジテレビほか)、「アイドリッシュセブン Third BEAT!」(TOKYO MXほか)などに出演中。「ニノさん」(日本テレビほか)、「セブンルール」(フジテレビ系)などではナレーションを担当。


江口拓也(えぐち たくや)
5月22日、茨城県生まれ。双子座。B型。「アイドリッシュセブン Third BEAT!」「転生したらスライムだった件 第2期 第2部」「TSUKIPRO THE ANIMATION 2」(いずれもTOKYO MXほか)、「東京リベンジャーズ」(テレビ東京ほか)、「魔入りました!入間くん」(NHK Eテレ)などに出演中。

【作品情報】

「あはれ!名作くん」
9月10日
NHK Eテレ
金曜 午後6:20~6:55の「ビットワールド」内にて放送(5分間)

「ビットワールド」内のアニメでは歴代最長となる、第6期が放送中のショートアニメ。数々の名作キャラを輩出する学校に通っている名作(那須)、スウィーツ(中西)、むすび(金子)、ノキオ(阿諏訪)、ボルト(小野)、つる公(江口)、春雨知恵熱(花江)らの物語を描く。YouTubeでも配信中!

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取材・文/松本まゆげ 撮影/為広麻里 ヘア&メーク/齋藤将志 協力/「あはれ!名作くん」製作委員会

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