ホンダは2021年8月30日（月）、2022年に生産終了する同社のスーパースポーツモデルである2代目NSXの最終モデル「NSX Type S（タイプS）」を正式に発表した。同年9月2日（木）より注文受付を開始し、世界限定350台のうち2022年7月に30台を国内で発売予定。ここでは、最終モデルを発表したNSXについてSNSで挙げられているみんなの声を紹介していく。
最終モデルNSX Type Sではエンジン性能がパワーアップ
“人間中心のスーパースポーツ”という初代モデルが提案したコンセプトを継承し、2016年8月に発表された2代目NSX。ホンダ独自の3モーターハイブリッドシステム「スポーツハイブリッドSH-AWD」を採用し、新時代のスーパースポーツ体験（New Sports eXperience）を提案したモデルだ。
既に、2代目NSXは2022年12月をもって生産終了がアナウンスされており、今回、集大成とも言える最終モデル「NSX Type S」が発表された。
NSX Type Sは、既存の3.5リッターV6ツインターボエンジンに専用チューニングを施しエンジン燃焼効率の向上、高耐熱材ターボの採用による過給圧アップと冷却性能の向上により、エンジン単体でも最高出力＋22ps、最大トルク＋50Nmの向上を図っている。
さらに、インテリジェントパワーユニットのバッテリー出力と使用可能容量を拡大して、システム全体の出力とトルクも向上。2020年モデルのシステム最高出力581ps／システム最大トルク646Nmに対し、新型NSX Type Sは610ps／667Nmにまで性能をアップさせている。
また、NSXの特徴である走行モードが変化させるインテグレーテッド・ダイナミクス・システムを、タイプS専用にアクティブ・ダンパー・システムやEPS（電動パワーステアリング）の各制御、スポーツハイブリッドSH-AWDの駆動配分制御の見直しを行っている。
エクステリアも、前後のバンパーに新デザインを採用しエアロダイナミクス性能の大幅な向上を追求しているほか、ボディカラーにはホンダ初のマットカラーである「カーボンマットグレー・メタリック」を含めた全10色を用意している。
国内限定30台の価格は2794万円(税込)。
最初からこのようなフロントデザインにすればもっと売れた！？
そんなNSX Type Sについて、SNS上ではどのような意見が飛び交っているのか確認してみた。
まず見受けられたのは、改良されたエクステリアについての声。
「めちゃくちゃカッコいい」
「元々もそんなに悪くなかったとは思うけど、タイプSは別物みたいにかっこよくなってる」
「やっと魅力的なスタイルに」
「フロントデザインと色があっている。純粋にかっこいい」
「最初からこのようなフロントデザインにすればもっと売れたと思う」
「フロントだけ別売りにして、現行に取り付けられるようにするだけでも売れるような気がする」
「この形で1500万円くらいならもっと売れただろう」
従来のデザインも悪くはなかったものの、NSX Type Sではホンダ初のマットカラーと相まってさらに魅力的なスタイルと見る声が多く挙がっている。
また、これまで生産工程の多くを手作業で行い、それに伴う価格面、生産台数の評判が芳しくなかった2代目NSXながら、
「採算も取れないこんな車作ったホンダはエラい」
「文句しか言わない輩多いけど、日本メーカーでよく作ったと感心する」
「日本車にこの値段は高いと言うが、F1でも好成績を収めているホンダ製。世界一速い車ではないかもしれないが、世界一信頼性の高いスーパーカーだと思う」
など、採算度外視の功績を称える声なども見受けられた。
ファンは新しいスポーツカーを待っている
そんな中、やはり登場から6年と短い歴史となった2代目NSXについて追及する声も少なくない。
「世界中のホンダファンが欲しい車とホンダが作ってる車が噛み合っていない事に永久に気づかない気がする」
「NSXはとても買える値段じゃないので、インテグラの復活を待っている」
「インテグラの復活や、開発中というEVスポーツカーに期待。そして価格を安くしてほしい」
ハイブリッドスーパースポーツという他社を先駆けて登場したNSXながら、その取り組みには一定の評価を得つつも、やはり価格面でユーザーニーズと大きな隔たりがあり、短命に終わったことは否めない。クルマファン、購入検討者などからは、北米で復活がアナウンスされているインテグラや現在開発中と噂されるEVスポーツカーに期待を寄せる声が多い。
それでも、
「商売としては成功したとは言えないかもしれないが、新時代のスポーツカーを作るというホンダのチャレンジとしては成功したと思う」
「いつかまた三代目が出て来る事を待ち望みたい」
と願うファンの声も少なくない数で見受けられた。
そんなファンの要望にホンダはどう応えるのか。先述の復活がアナウンスされているインテグラの国内導入やEVスポーツカーの登場など、今後の展開に期待したい。
[筆者：望月 達也（MOTA編集部）]
