試合中“必ずトイレに行く男”チチパスにテニス界が疑惑の目 ズベレフ「外部と連絡してる」

“必ずトイレに行く男”チチパス(ロイター)

テニスの4大大会全米オープンで、トップ選手のトイレ休憩問題が大きな波紋を広げている。

世界3位のステファノス・チチパス(ギリシャ)が、男子シングルス初戦でアンディ・マリー(英国)を退けた試合で8分ほどの長いトイレ休憩を取った。マリーは猛抗議。チチパスは遅延行為で警告を受けた。トイレ休憩の影響で調子を崩し敗戦したマリーは「あの休憩で影響を受けてがっかりだ。彼は素晴らしい選手だと思うけど、尊敬の念を失ってしまった」と語った。

マリーを援護したのが、東京五輪金メダリストのアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)だ。初戦勝利後の記者会見で、チチパスのトイレ休憩について問われると「毎試合、起こっている。普通じゃない。全仏オープンの決勝でもノバク(ジョコビッチ)戦で起こったし、ハンブルクでも、そしてシンシナティでは僕との試合でもばかげていた。選手たちはもう知っているよ」と、あきれた表情で語った。

スベレフは、シンシナティでの対戦でチチパスがトイレに消えてしまった際の経験をふまえ、ある不正疑惑にも言及した。記者に「チチパスがバッグに携帯電話を入れていたと信じているか」と問われると「彼は10分以上いなくなった。彼の(コーチの)お父さんは、携帯電話でテキストメッセージを送っている。トイレから出てきて、彼は戦術が完全に変わった。みんな見ていること。まるで(トイレが)魔法の場所か、そこにコミュニケーションがあるようなもの」と、禁止されているコーチングを受けていると語った。

本当ならテニス界を揺るがす不正行為だ。ズベレフは「彼を軽蔑したくない。彼は素晴らしい選手だから」と言いつつ「僕は確かにラケットを折ったり、いろんなことを言ったり、いろいろ非常識なこともするけど、一つ自分に誇れること、今後も守ることは、コートの中でテニスをして勝負しているということ」と自分にはあり得ない行為であることをキッパリ言い切った。

チチパスは一連の非難に「ルールは破っていない」と主張しているが、次の試合での行動に注目が集まる。

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