小室圭・佳代母子の不可解すぎる履歴書|八幡和郎 眞子様がご結婚され、小室眞子さんに。この結婚は素直に祝福する気持ちになれない国民は多いのではないだろうか。今さら聞けないゼロから分かる「小室圭・佳代母子問題」を緊急解説!

「決して多くの人が納得し喜んでくれる状況ではない」

秋篠宮皇嗣殿下の長女である眞子様が、2020年11月13日に小室圭氏との結婚についてお気持ちを表す文書を発表され、結婚が自分たちにとって「必要な選択」だとされた。続いて11月30日には、秋篠宮殿下が記者会見で「眞子様の結婚を容認する」と仰ったと報道された。

しかし実際には、殿下としても父親としても苦悩に満ちた会見だった。憲法に結婚は両性の合意のみに基づいてというのがあるので、親としてそれを尊重するし、どうしてもというなら最終的には「結婚を認める」と仰っただけである。「決して多くの人が納得し喜んでくれる状況ではない」「結婚と婚約は違う」「(今後の予定も)追って考えていく」とされており、「眞子様の結婚を容認する」と一言で要約するのは乱暴だ。

2017年の5月の婚約報道のあと、父親の自殺が『週刊新潮』で報道され、『週刊女性』の、小室氏の母親である佳代さんが「婚約者」から借金をして返していないという記事が続き、2月には納采の儀の延期が発表された。

本稿では、改めて簡単に経緯を紹介しつつ、何が問題なのかや皇位継承や公務を行う担い手の不足に対処するために検討されている「皇女」制度の創設なども解説する。本誌の読者のほとんどは反対だろうが、女系での皇位継承が万が一でも認められた場合のシミュレーションもしておかねばならない。

悠仁様の皇位継承は維持するが、悠仁様にお子様がおられない場合に、従来の継承順位についての考え方を女系でもいいと変えて適用すると、愛子様の子供でなく眞子様と小室圭氏の子供が天皇になるという事態が現実化するからだ。

小室氏借金問題の本質

(共同通信社)

「母親が父親の死後に婚約し小室圭氏の学資などの援助を受けていたが、婚約は破棄され、お金の返済を要求されている」という「400万円問題」で大事なのは、「なんらかの形で元婚約者が納得すればいい」というだけの問題ではないということだ。

秋篠宮殿下は「いままでもあった問題をクリア(するために)相応の対応をする必要がある」と仰ったが、たとえば、1)時効になって支払い義務が法的になくなる2)相手方が諦めてくれる3)誰かが代わりに払ってくれる4)将来返すという約束をする、ということならそれでいいという人もいるが、いずれも解決にならない。

時効は法的に返却を強制されなくなるだけで、返さないことを道義的に正当化するものではない。相手が諦めたとしても同様だ。誰かが払うといっても、それが親戚などならともかく、眞子様と結婚する人だから払うという人の好意に甘えるとすれば、皇室を利用した金集めであって許されない。将来返すと約束するのはいいことだが、自分でめどはなく、眞子さまに与えられる一時金を当てにするのでは困る。

この借金については、1)交際していた男女間の通常のやりとりで返す必要もないとか、2)佳代さんも未亡人で苦しかったのだから責めるのは気の毒とか、3)圭氏とは関係ないとかいう人もいる。

ところが、佳代さんは返すとか圭氏が二人の面倒を見てくれるからなどと言っていたし、生活が苦しかったので仕方ないというには使い途がおかしい。時期も圭氏が大学に通っているころで、子供ではなく、圭氏は自分のための借金であることを最初から知り、お礼も言い、返却拒否の交渉に自分で参加している。母子一体の責任として論じるべきだ。

婚約を解消したのはA氏だが、多額の生命保険に佳代さんを受取人にして入れとか、際限ない金銭要求に耐えきれなくなったためらしい。そのあたりは、400万円を貸したA氏と佳代さんのメールのやりとりが生々しく公開されており、まったく否定しようがない。

つまるところ、問題なのはこの母子は父親が自殺して苦しい生活をしてきた気の毒な母子家庭でなく、正常でない方法で入手した金で法外に贅沢な生活をしてきたことにある。

もし、眞子様が出会われた貧乏な同級生が、慎ましやかな生活を送り、アルバイトしながら頑張っているというなら、ロマンスを成就させてあげたいと思う人も多いだろうが、そういう状況ではない。

圭氏の大富豪並みの教育費

この母子が父親の自殺時に置かれた経済環境は、それほど厳しいものではなかった。横浜のマンションはローンで買ったものだが、生命保険とリンクしていたから自分たちのものになっている。遺族年金も出ていた。

しかも、祖父が自殺したとき、佳代さんは残された祖母と厳しい交渉をして多額の遺産を手に入れている。そのときに仲介した人物は、 「“夫の実家に連絡しても相手にしてもらえない”と涙を流し、私に遺産交渉の代理人になってほしいと頼みました。私は昔、暴力団に関係していたこともあり、そうした経歴が利用できると思ったんでしょう」 「敏勝さん(注:圭氏の父親)が購入したマンションに佳代さんの両親が住んでいたので、“住む家がない”というのは嘘だった」

と証言している(『女性セブン』2019年3月21日号)。

敏勝さんの遺族年金などは年に250万円ほどあったはずだ(『週刊文春』推定)。これに佳代さんの収入を加えれば、国公立大学になら行けるし、私立でも奨学金やアルバイトでなんとかなるレベルだ。

ところが、圭氏の受けた教育は、大企業のエリートサラリーマンなどでも払えない大富豪並みで、『週刊文春』は圭氏の教育費を4719万6850円と見積もっている。

その重圧は、父親を悩まし、自殺の原因の一つとまで疑われている。また、その使い方は場当たり的で目標がころころ変わり、効率が悪いことこのうえない。

眞子様の婚約者を強調して奨学金を獲得

1)年に70万円ほどの授業料が必要な国立音楽大学附属小学校に入学させ引っ越したので(横浜のマンションには佳代さんの両親を住まわせている)、父親が横浜市役所に遠距離通勤を強いられ、心身の調子を崩し、これも自殺の原因とも言われる。

しかし音楽の道はやめて、2)カナディアン・インターナショナルスクールで中学、高校を過ごす(1515万円)。普通なら北米の大学に留学するのだが、3)国際基督教大学に入る。

三菱UFJ銀行に就職するが辞めて、パラリーガルとして勤めつつ4)ロースクールでなく一橋大学の経営学の大学院に通うが、一転して5)米フォーダム大学のロースクールの奨学金を眞子様の婚約者を強調して獲得し留学。このほか、バイオリン教室、海外留学のための予備校、アナウンススクールにも通っている。その合計が上記の金額だ。

立場を活用してクラウドファンディング?

仮にニューヨーク州弁護士資格を取ったら展望が開けるかどうかだが、フォーダム大学出身では有力法律事務所への就職は難しいし、日本人が成功することも望みにくい。

米国に約200のロースクールがあるうち27位のランキングで中の上(ちなみにバイデン大統領のシラキューズ大学は中の下だが)、「スーツ」というメーガン妃が出演して日本でもリメイクされているドラマで、「きっと三流のロースクール出身だ。フォーダムとかアリゾナ州立とか」という台詞が出てくるレベルだ。

最速で2年後に日本へ帰ってくれば、3年後には米国での裁判に関連した弁護士活動ができるが、日本の弁護士資格をもっていないから日本で法廷に立てず、米国での実務経験が豊富でもないから意味がないといわれている。

2019年夏、小室氏が書いた『社会的企業のためのクラウドファンディング法改正の可能性への課題と示唆』という論文が米国の法律誌に掲載されたが、小室氏がこの手の集金をしたがっているという説もある。

しかし、なんの実績もない小室氏が成功するとすれば、眞子様の配偶者の立場を活用してのことになり、皇室にとっては看過できないものだ。

負債総額は1000万円?

しかも、小室氏は例の400万円は別にしても、かなりの借金を抱えているとみられる。まず、ICUからは奨学金融資制度で借り入れしているが、これが約524万円だそうだ。フォーダム大学の学費は年に一人しかもらえない返済不要の奨学金によるが、生活費は以前に勤めていた法律事務所から借りているようだ。

弁護士なら留学中も給与を払うことはあるが、パラリーガルでは税務上も給与として認定されないので、これが360万円ほどになるという(いずれも『週刊文春』推定)。

さらに、父親の自殺後に国立音楽大学附属小学校の互助組織『友愛会』から約120万円の奨学金を得て、返済していないという (『女性セブン』2021年1月1日号)。つまり、あれやこれやで、1000万円くらいは負債がありそうだ。また、佳代さんやその父親も同居しており、その生活の面倒を見る必要もあるし、佳代さんの贅沢好きもいろいろ逸話がある。

もちろん、眞子様が働いて共働きして支えることも論理的にはありうるし、東京大学の関連機関で勤務されていたこともあるが、タイ国王の姉で、アメリカ人と結婚して王族を離れたウボンラット王女(のちに離婚)がMITを卒業し、教鞭を執っていたというのとは事情が違う。

名字はどうなる

そこでいま話題になっているのが、眞子様の皇籍離脱に伴って支払われる予定の一時金であり、「皇女」制度の創設である。

女性皇族が結婚して皇籍から離れると、「皇族であった者としての品位保持の資に充てる」ため、皇族費の十倍以内が非課税で支払われるとされ、額は1億5250万円以内である。ところが、眞子様が無職の学生で借金まである小室氏と結婚すれば、これで小室氏の借金を返済し、それなりの期間の生活費をすべてここから出さざるを得ない。

たとえ、圭氏が無事に職を見つけても足りないだろうし、佳代さんと圭氏母子の浪費を満たすことに充てられる可能性も高い。

結婚費用もここから出すしかないし、将来のための投資といって計画性のない支出が繰り返されることを覚悟すべきだろう。国民の血税から支出するのに相応しいものとはいえそうもなく、一時金を辞退されるのでは、とも言われている。

こんな調子では、1億数千万円など数年のうちになくなってしまう可能性が高い。生活ができなくなったら結婚生活も破綻する可能性も高いし、そのときに子供でもいたらますますややこしい。

富裕な家庭だったら、娘が子連れで帰って来たら面倒をみるのかもしれない。しかし、個人財産がほとんどない秋篠宮家にとっては難しいし、御所に住んでいただくわけにもいかない。名字はどうなるという問題もある。

だいたい、将来の生活設計もたたず、莫大な借金を抱え、借りたお金も返さないというトラブルを抱え、家族にもだいぶ問題がありそうな男に、1億数千万円の持参金を自由に使っていいとつけて送り出す家庭があるだろうか。

『週刊新潮』は「やっぱり夢は1億4000万円パラサイト生活」という見出しをつけたが、パラサイトを日本語に直すと、仮名二文字の最大限の軽蔑の言葉になる。

三人連続自殺の不可解

小室母子の問題は、お金がらみばかりが話題になるが、父親、祖父、祖母の三人連続自殺についても気にする人がいるのは当然だ。本人と関係ないから気にする必要はないという人もいるが、そうだろうか。

横浜市役所職員だった父親が2002年、圭氏が10歳のときに自殺したことは『週刊新潮』が婚約報道の直後に報道したが、やがて父方の祖父の自殺、さらに同祖母までが一年後に自殺していることも明らかになっている。 『女性セブン』が詳細に報じているが、佳代さんの浪費とか、祖父の遺産をめぐる佳代さんのかなりえげつない交渉のやり方も関連しているのでは、と親族などの証言とともに語られている。

最近、秋篠宮殿下の体調不良が伝えられ、その原因として結婚問題に起因する精神的な疲労もあると言われているが、強引に望むところを通す母子のやり方が、眞子様だけでなく秋篠宮家や両陛下に及ぼす影響も心配だ。

これまでも佳代氏が陛下に会いたいと要求されたなどという週刊誌報道もあったが、とくに眞子様やお子様を盾に取って皇室として受け入れがたい要求などされたら、それこそ何が起こるかわからない。

ネット・メディアの『ビジネス・ジャーナル』では、片田珠美さんが「精神科女医のたわごと」のなかで「小室圭さん、父親と祖父母が自殺との報道…『自殺の家族歴』と『自殺行動の危険因子』」という記事を書いて、連続自殺には遺伝的要素も関連しているのでないかと分析しているが、子供が生まれた場合には皇位継承の可能性すらあるとすれば、さすがに看過していいのか、という指摘もある。

そのほか、いろいろな意味で連続自殺についてどういう事情だったかしっかりヒアリングしなくていいとは思えない。信心している宗教や霊媒師とかが登場していろいろ語られているのだが、たとえば、宮内庁とか秋篠宮家が、皇室警察関係者、弁護士、医師などからなる何人かのチームを組んで不安な点について訊き、調査するべきであろう。

「小室家宮」創設の可能性

そして、「皇女」問題が出てきた。野田内閣のころから、内親王が結婚したのち、内親王を当主とした宮家を創設する「女性宮家」が論じられてきた。そうなると普通には、眞子様が結婚されたら「小室宮家」でも創設されて、眞子様が小室宮殿下に、小室氏が小室宮王配殿下とかになり、お子様も皇族になる。

女性宮家の目的は、内親王とその子孫に皇位継承権を与えることだとすれば、子供を皇族にしないと意味がなく、夫だけ外すのは不自然だ。それに対して、公務の担い手が減っているので、結婚後も引き続きお願いするという趣旨もいわれており、それならご本人だけでもいいわけである。

また、悠仁様が天皇になられたときに、お姉さま二人に皇族として支えてもらいたいとか、眞子様や佳子様の将来の生活の安定のためなどが隠された真意だともいわれる。

そのころから、私は公務の担い手なら、宮内庁参与とか嘱託にしてお願いすればいいだけだと提案してきた。「陛下の代理として、秋篠宮皇嗣殿下の長女でおられる宮内庁参与小室眞子様がご挨拶されます」でいいし、海外に名代でいけばプリンセスの肩書でも構わない。これなら法律改正すら要らない。

いずれにせよ、“皇女”の肩書で年間給与を一生、払い続けるのも不適切だ。どの程度の公務をやれるか、やりたいかは、その時々によって違うだろう(年俸は独立家計を持たない皇族の女性が600万円ほどだからそのくらいともいわれるが)。

たとえば、眞子様が結婚されてニューヨークで新婚生活を送られる場合に、公務もされないのに600万円を払い続けるのを国民は支持しないだろう。

一方、離婚とか死別されてフルタイムで仕事をしたいというならもっと払ってもおかしくない。

私は、制度設計としては年度ごとにどのくらい仕事をしていただくかで、常勤、非常勤、臨時にイベントごとに委嘱するだけとかで給与も決めたらいいと思う。そして、実はここがみそなのだが、常勤なら公務員住宅に住んでいただける。宮内庁や皇宮警察の公務員ならセキュリティも確保できるし、経済的に困窮されても品位を保つことが可能になる。

旧皇族にも制度を広げる

いま、皇室典範では離婚がほとんど想定されていないが、眞子様の問題を離れても、皇族が離婚したらどうなるとか、子供の扱いや経済的問題を決めておいたほうがいいし、皇籍離脱をされた皇族が離婚や死別されたときの扱いも制度的に整備しておいたほうがいい。

また、保守派の人が心配しているように、皇女制度が皇位継承問題において女系論に道を開き、一方で、旧皇族の復帰を阻害するとの危惧を払拭するためにも、宮内庁参与などの制度を旧皇族についても適用してはどうか。

旧皇族の方で定年退職をされた方などで、国際経験も豊富で海外での皇室外交の代理をしていただくのに好適な方もおられるし、社寺や御陵への参拝など、宮内庁の役人が代行するより旧皇族のほうがいいに決まっている。

また、若い方にそういう役割を担っていただけると、潜在的な皇位継承候補としての自覚も育つし、国民もどういう方がおられるか知ることができる。

こういう形で国民の前に登場いただいたうえで、もし皇統が断絶した場合に、女系がいいか、旧皇族がいいか、あるいは両方とも候補にするとか、さらには旧皇族や昭和22年に皇籍離脱をした狭い意味での旧皇族だけでなく、明治から戦前までの間に皇籍離脱された賜姓皇族とか、後陽成天皇や東山天皇の男系子孫である皇別摂家など男系に属する方と皇族女性の結婚も模索するとか、さまざまな選択の可能性を広げるべきだと思う。 (初出:月刊『Hanada』2021年2月号)

八幡和郎

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