日南9中学制服統一へ 23年度から、多様性にも配慮

 日南市は、市内の9中学校の制服を2023年度の新入生から統一する方向で検討を進めている。上着、ズボン、スカートなど性別を問わず選べるようにして性の多様性にも配慮。今後、検討委員会での協議を進め、22年度の秋までには決定したい考え。
 18年度から開いている、「市多様な性の尊重推進検討委員会」(大学教授、小中学校長、PTA役員などで構成)が、中学校の制服について、多様性に配慮したものにするよう提言。また、9中学の生徒会役員がいじめや不登校などの問題を考える「わかすぎ塾」の19年度の会合でも、生徒へのアンケートで76%が制服の「見直しが必要」と答えたことが示された。
 こうした流れを受け、市教委は20年度、学校関係者やPTA役員などでつくる市制服検討委員会を立ち上げて協議を委嘱。これまでに7回の会合を行い、制服統一の柱などを決めた。
 柱は三つで、(1)現行の制服より価格を下げ、保護者の負担を少なくする(2)動きやすさや耐久性など機能性を重視し家庭で洗濯ができる(3)多様性に配慮し、性別によって制服を強制されず、選べるようにする。
 市教委が保護者や生徒に行ったアンケートでも統一に前向きな意見が多かったが、中には「学校のオリジナリティーを出してほしい」という意見もあったため、検討していくという。今後、基本仕様を決め、業者選定、各中学校などでの展示会を経て、22年度の秋ごろまでには最終決定する方向。
 同検討委の事務局を担当する市学校教育課の益留大指導主事は「三本柱を念頭に置きながら、誰もが快適に安心して学校生活を送ることができるよう、制服の検討を進めていきたい」としている。

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